脳トレ・塗り絵

季節ごとにおすすめの塗り絵を紹介

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介護施設のレクリエーションでは塗り絵を取り入れていることが多いかと思います。
塗り絵は利用者さんのペースで行うことができ、多くの高齢者の方から人気を得ています。

この記事では季節ごとにおすすめの塗り絵や塗り絵の効果についてご紹介していきます。

季節ごとにおすすめの塗り絵

その季節ごとの塗り絵を行うことで、施設内で生活をしていても季節感を楽しむことができます。
ここからはそれぞれの季節ごとにおすすめの塗り絵をご紹介していきます。

春におすすめの塗り絵

【塗り絵】グリーンピース
【塗り絵】アスパラガス
【塗り絵】カーネーション
【塗り絵】バラ

夏におすすめの塗り絵

【塗り絵】あじさい
【塗り絵】さくらんぼ
【塗り絵】スイカ
【塗り絵】ひまわり
【塗り絵】夏野菜

秋におすすめの塗り絵

【塗り絵】鱈(タラ)
【塗り絵】かぼちゃ

冬におすすめの塗り絵

【塗り絵】ポインセチア
【塗り絵】マグノリア(木蓮)

塗り絵のメリット

塗り絵のメリットは塗る絵によって難易度を調整することができる点です。
そのため、片麻痺などの利き手交換をした方の手指の巧緻性改善目的などにも用いることができます。

また座ったまま行うことができるため、体を動かすレクのように転倒転落の可能性も低いです。
完成した塗り絵を施設内に飾ることで、利用者さんの気持ちも高まります。

「次はどんな絵にしよう?」
「どんな色で塗ろう?」

など、モチベーションの維持にもつながります。

カレンダー付き塗り絵

塗り絵にはカレンダー付きの塗り絵もあります。
カレンダー付きの塗り絵を行うことで、混乱しやすい日時を把握したり、当日行ったこと、今後の予定などを書いていくことができます。

認知機能の低下が生じてくると、前日に何をしたのか・今後の予定に何があったのかなどを忘れてしまうことがあります。
そのため、カレンダーに予定を書いていくことで認知機能の低下を補うことができます。

認知機能低下の代替方法

認知機能が低下した場合には、メモリーノートというものが活用されています。
メモリノートには翌日の予定や当日に何を行ったかなどを記載していき、想起しやすくするために活用します。

カレンダー付きの塗り絵はメモリーノートの代わりとしても使うことができるため、認知機能の低下が認められる場合には、こういった塗り絵もおすすめです。

高齢者に塗り絵が人気の理由

塗り絵はデイサービスなどを利用している高齢者の方々からも人気です。
塗り絵が人気な理由の一つとして、自分のペースで行えることが挙げられます。

また、塗り絵には脳トレとしての効果もあるため、デイサービスなどで人気を集めています。
塗り絵の主な効果は以下の3つです。

  • 脳の活性化が期待できる
  • 集中力up
  • ストレス発散効果

塗り絵を行うためには、「この絵が何を表しているのか?」「何色から塗り始めるべきか?」「このペースで塗っていくと完成品はどういったものになるのか?」などを考えながら塗っていきます。

そのため、脳を目一杯使うため、脳トレ効果が期待できるのです。

塗り絵で前頭前野が活性化される

塗り絵を行うことで活性化される脳の部位は「前頭前野」と呼ばれる場所です。
前頭前野の機能として、ワーキングメモリー、反応抑制、行動の切り替え、プランニング、推論などの認知・実行機能を担っています。

また発生学的には前頭前野はもっともよく発達し、もっとも遅く成熟する脳部位としても知られています。

その一方で、加齢に伴ってもっとも早く機能低下が生じる部位でもあるため、脳トレなどで前頭前野を活性化させることが大切になってきます。

前頭前野を活性化させるためには、ただ単に色を塗るだけでは、脳は活性化しないと報告がされています。

塗り絵を行う際には、一つの色で色の濃淡を表したり、ぼかしなどの技法を用いることで、前頭前野が活性化されるということが報告されるため、ただ単に色を塗るというよりも、どのように塗り絵を表現するか?といったことを考えながら行ってもらうことが重要になってきます。

細かい作業は脳を活性化させる

脳には手足に対応した領域が存在しています。
この領域は「感覚」と「運動」の2種類が存在しています。

「ホムンクルスの小人」というもので表されているのは、脳において手の領域が占める割合がかなり多いということです。
これは感覚も運動もどちらも、手がかなりの割合を占めています。

つまり、手をたくさん動かせば動かすほど脳に刺激が送られ、脳の活性化につながるということになります。
そのため、手をたくさん動かすような細かい作業の塗り絵は脳を活性化させるのにおすすめなのです。

アートセラピーとしての塗り絵

塗り絵はアートセラピーの一種としてフランスでは用いられています。
アートセラピーを中心に取り扱っている、クエスト総合研究所ではアートセラピーを以下のように言っています。

「アートセラピーとは、主に欧米の精神医療の中で研究された、心のケアに役立つ心理療法です。心理的な病を持った人や、様々な障害を持つ方の治療に役立ちます。また、治療を目的としたものばかりではなく、健康な人の悩みや苦しみを癒し自己成長や自分らしさを取り戻すことにも役立ちます。」

つまり、アートを通じて精神的・身体的により良い方向に進めて行く、というのがアートセラピーの主な役割と言えます。

塗り絵には精神を安定させる働きがある

「塗り絵による脳活動および気分の変化」という研究では、塗り絵を行うことで脳の活動と気分に変化が生じるのかを検討しています。
その結果、塗り絵を行うことで脳のα波が増加し、精神的に安定したと報告しています。

脳波の一つであるα波は、人が目を閉じてリラックスしている時や、一つのことに集中している時に大きくなることが知られています。
そのため、塗り絵を行うことで、リラックス効果や集中力upが期待できます。

塗り絵を行う際の注意点

塗り絵と言っても難易度はそれぞれ異なります。
同じ高齢者であっても身体機能や精神機能などが異なり、身体機能などが低下している方の場合には「大人の塗り絵」のような細かい作業はストレスになってしまう方もいます。

塗り絵の効果は塗り絵に集中して取り組むことで得られるので、各利用者さんの身体機能や精神機能に合った絵柄を選ぶ必要があり、注意が必要です。

まとめ

この記事では季節ごとにおすすめの塗り絵や塗り絵の効果についてご紹介しました。
塗り絵は手軽にできるレクリエーションの一つですが、その塗り絵が持つ効果は多くあります。

今回紹介した塗り絵以外にもレクシルにはまだまだ塗り絵が用意されています。
ぜひそちらも活用してみてください。
→レクシル公式ページへ

参考文献
塗り絵による脳活動および気分の変化

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