70歳くらいになると物忘れが増えたり、なかなか物事を思い出せなくなったりします。
これは加齢に伴う認知機能の低下が生じているためです。
加齢に伴う認知機能の低下は誰しもが生じ得ますが、日々の脳トレで認知機能を維持させることができます。
これをお読みの方は身近な方の認知機能低下をどうにかしよう、と思っている方が多いと思います。
そこで、この記事では70歳でも脳トレを行うことで認知症予防が可能であること、自宅でも簡単にできる脳トレについてご紹介していきたいと思います。
70歳でも脳トレを行えば認知症予防が可能
加齢に伴い認知機能をはじめとした、脳機能が低下していきます。
しかし脳トレを行うことで認知機能や記憶力などを維持できることが報告されています。
2018年に報告されたイギリスの研究では、普段から脳トレを行っている人は、行っていない人に比べて8歳程度脳年齢が若かったとしています。
そのため、70歳代でも脳トレを行うことで、年齢よりも若い脳機能を持つことができるのです。
脳年齢を若く保つことで、認知症予防にも効果的です。
おすすめの脳トレ
ここからはおすすめの脳トレをいくつかご紹介していきます。
スマホやタブレットを使った脳トレも紹介していきますので、スマホ・タブレットを利用することができる場合には、そちらも活用してみてください。
簡単な計算問題
簡単な計算問題は脳トレにおすすめです。
例えば以下のような計算問題です。
ただ計算するよりも問題を解く速さを計測するのがおすすめです。
昨日より今日、今日より明日、速くなるように問題に取り組んでいきましょう。
ことわざや熟語クイズ
簡単な計算問題同様、ことわざや熟語などを使った計算問題もおすすめです。
ことわざや漢字を使ったクイズは日本人ならではの問題だと思います。
以下のような問題がおすすめです。
脳にいいアプリ
脳にいいアプリは無料で利用することができます。
このアプリは近年の脳科学が脳の健康維持に有効と示す活動を楽しく行うことができるアプリです。
特に認知症予防に力を入れており、認知症予防には以下の5つの要素が重要とされています。
- 運動
- 食事
- 脳刺激
- ストレス緩和
- 社会参加
脳にいいアプリはこの5つの要素を全て組み込んでおり、認知症予防効果が期待できます。
クロスワードパズル
クロスワードパズルのアプリはたくさん用意されています。
イギリスの研究ではクロスワードパズルや数独を行っている高齢者はそうでない高齢者に比べて脳年齢が8歳若かったという報告がされています。
そのためクロスワードパズルをスマホやタブレットで手軽に行うことができるので、脳の活性化が期待できます。
テトリス
テトリスは昔からある定番のパズルゲームかと思います。
どこにどのピースをはめ込むかを考えながら行うため、想像力を働かせながら脳の活性化が期待できます。
単語パズル
こちらは文字を繋いで言葉を作っていくパズルアプリです。
言葉を使ったアプリはクロスワードがありますが、こちらは与えられた文字を繋いでいくため、どういった単語が作れるかを咄嗟に考える必要があります。
制限時間もあるため、自分自身の知っている単語を反射的に取り出せる必要があります。
知っている単語を想起するため、脳が活性化されるので、脳トレにはおすすめです。
将棋・囲碁アプリ
利用者さんの年代では将棋や囲碁を過去に行っていた方が多いのではないでしょうか。
しかし介護施設などで行う場合には、対戦相手がいないと行うことが難しいです。
そんなときには、将棋・囲碁アプリでコンピューターと対戦するのがおすすめです。
スマホやタブレットさえあれば、一人でも行うことができます。
将棋や囲碁は数手先まで考えながら進めていく必要があるため、脳トレに効果的です。
認知症診断テスト
近年、認知症患者数は増加しており、2025年には65歳以上の認知症患者数は約700万人に増加すると想定されています。
これは5人に1人が認知症患者であるということになります。
また、軽度認知障害(MCI)患者も含めると3人に1人が認知症患者とその予備軍に該当する計算となります。
このアプリを使えば、自分の認知機能がどの程度なのかを把握することができます。
仮に認知機能の低下が見つかった場合には早期治療に繋げることができます。
物忘れに効く・初めての脳トレ
認知症診断テストで認知機能の低下が見つかった場合には、病院を受診するのはもちろんですが、アプリで脳トレも進めていきましょう。
このアプリを使えば画像認識や計算問題などさまざまなバリエーションの脳トレを行うことができます。
ポケモンGo
ポケモンGoは脳トレではないですが、運動量を確保するのにおすすめです。
お孫さん達と一緒に外に出て歩く機会を作ってくれるのが、このアプリです。
元々、外出頻度を増やすために作られたものでもあるため、ご家族で一緒に行うのもいいと思います。
認知症予防のためには?
認知症予防のために大切なのは多面的な運動介入プログラムであると言われています。
これは有酸素運動に伴う脳血流量の増大などが影響していると考えられています。
国内で行われた65歳以上の高齢者を対象にランダム化比較試験ではMCI高齢者の認知機能向上に有効であったと報告しています。
また、特にアルツハイマー病へ移行する危険性が高い健忘型MCI高齢者の全般的な認知機能の保持や記憶能力の向上が、記憶課題を含む運動トレーニングによって向上したことは、認知症予防のために重要な効果と考えられるとも報告しています。
そのため、「高齢者を対象にした運動プログラム」を参考に運動負荷を決めつつ、運動を行っていくことも大切だと言えます。
厚労省が出している資料では、認知症予防には高齢者は下肢や体幹の筋力トレーニングを週2回程度、レクリエーション活動や軽スポーツを週3回程度行うことをすすめています。
介護職員の方は一度目を通しておくと、認知症予防に関する運動の効果について学ぶことができます。
まとめ
この記事では70歳でも脳トレを行うことで認知症予防が可能であること、自宅でも簡単にできる脳トレについてご紹介しました。
「使わないものは衰える」のが人間の体です。これは筋力も同様です。
普段から使っていくことで、脳機能も筋力も維持することができます。
ぜひ脳トレを取り入れて、脳機能の維持・向上を図ってみてください。
今回ご紹介した計算問題やことわざクイズは「レクシル」に掲載されています。
他にもたくさんの脳トレ問題が用意されているので、ぜひそちらも活用してみてください。
→レクシル公式ページへ