脳トレ・塗り絵

デイサービスのレクに使える塗り絵特集【3つの効果】

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デイサービスなどの介護施設ではレクの時間に塗り絵を行う機会があると思います。
当院でも認知症の患者さんに日中に塗り絵を行っていただいたりしています。

塗り絵はご本人のペースで行うことができ、手指を使うため脳の活性化にも繋がります。
高齢者にとって塗り絵は様々な効果があります。

この記事ではレクに使える塗り絵の紹介と効果についてご紹介していきたいと思います。

デイサービスのレクに使える塗り絵

塗り絵の原本はさまざまなwebサイトからダウンロードすることができます。
レクシルもその一つです。

以下のような簡単な塗り絵から幾何学模様のような複雑な塗り絵まで用意されています。

【塗り絵】ぶどう

 塗り絵のメリットは塗る絵によって難易度を調整することができる点です。

そのため、片麻痺などの利き手交換をした方の手指の巧緻性改善目的などにも用いることができます。

また、座ったまま行うことができるため、体を動かすレクのように転倒転落の可能性も低いです。
完成した塗り絵を施設内に飾ることで、利用者さんの気持ちも高まります。

「次はどんな絵にしよう?」
「どんな色で塗ろう?」

など、モチベーションの維持にもつながります。

カレンダー付き塗り絵

塗り絵にはカレンダー付きの塗り絵もあります。
カレンダー付きの塗り絵を行うことで、混乱しやすい日時を把握したり、当日行ったこと、今後の予定などを書いていくことができます。

認知機能の低下が生じてくると、前日に何をしたのか・今後の予定に何があったのかなどを忘れてしまうことがあります。
そのため、カレンダーに予定を書いていくことで認知機能の低下を補うことができます。

認知機能低下の代替方法

認知機能が低下した場合には、メモリーノートというものが活用されています。
メモリノートには翌日の予定や当日に何を行ったかなどを記載していき、想起しやすくするために活用します。

カレンダー付きの塗り絵はメモリーノートの代わりとしても使うことができるため、認知機能の低下が認められる場合には、こういった塗り絵もおすすめです。

高齢者に塗り絵が人気の理由

塗り絵はデイサービスなどを利用している高齢者の方々からも人気です。
塗り絵が人気な理由の一つとして、自分のペースで行えることが挙げられます。

また、塗り絵には脳トレとしての効果もあるため、デイサービスなどで人気を集めています。

塗り絵の主な効果は以下の3つです。

  • 脳の活性化が期待できる
  • 集中力up
  • ストレス発散効果

塗り絵を行うためには、「この絵が何を表しているのか?」「何色から塗り始めるべきか?」「このペースで塗っていくと完成品はどういったものになるのか?」などを考えながら塗っていきます。

そのため、脳を目一杯使うため、脳トレ効果が期待できるのです。

塗り絵で前頭前野が活性化される

塗り絵を行うことで活性化される脳の部位は「前頭前野」と呼ばれる場所です。
前頭前野の機能として、ワーキングメモリー、反応抑制、行動の切り替え、プランニング、推論などの認知・実行機能を担っています。

また発生学的には前頭前野はもっともよく発達し、もっとも遅く成熟する脳部位としても知られています。
その一方で、加齢に伴ってもっとも早く機能低下が生じる部位でもあるため、脳トレなどで前頭前野を活性化させることが大切になってきます。

前頭前野を活性化させるためには、ただ単に色を塗るだけでは、脳は活性化しないと報告がされています。

塗り絵を行う際には、一つの色で色の濃淡を表したり、ぼかしなどの技法を用いることで、前頭前野が活性化されるということが報告されるため、ただ単に色を塗るというよりも、どのように塗り絵を表現するか?といったことを考えながら行ってもらうことが重要になってきます。

アートセラピーとしての塗り絵

塗り絵はアートセラピーの一種としてフランスでは用いられています。
アートセラピーを中心に取り扱っている、クエスト総合研究所では以アートセラピーとは以下のように言われています。

「アートセラピーとは、主に欧米の精神医療の中で研究された、心のケアに役立つ心理療法です。心理的な病を持った人や、様々な障害を持つ方の治療に役立ちます。また、治療を目的としたものばかりではなく、健康な人の悩みや苦しみを癒し自己成長や自分らしさを取り戻すことにも役立ちます。」

つまり、アートを通じて精神的・身体的により良い方向に進めて行く、というのがアートセラピーの主な役割と言えます。

塗り絵には精神を安定させる働きがある

「塗り絵による脳活動および気分の変化」という研究では、塗り絵を行うことで脳の活動と気分に変化が生じるのかを検討しています。
その結果、塗り絵を行うことで脳のα波が増加し、精神的に安定したと報告しています。

脳波の一つであるα波は、人が目を閉じてリラックスしている時や、一つのことに集中している時に大きくなることが知られています。
そのため、塗り絵を行うことで、リラックス効果や集中力upが期待できます。

前頭前野を活性化させるためには

塗り絵には前頭前野を活性化させる効果が期待できることをお伝えしました。
それ以外にも前頭前野を活性化させる方法が報告されています。

「認知症高齢者の認知機能改善における短期集中リハビリテーションの介入効果」では、学習療法、回想法、運動療法の3種類の有効性を検討しています。

学習療法は計算ドリルやプリント、音読、復唱、絵カード呼称、書字、園芸療法では花瓶の水替え、根切り、その季節の物を見るなどを、運動療法では屋外屋内散歩、風船バレーなど多彩な項目を実施しています。

改訂長谷川式簡易知能評価スケールを用いて、学習療法や運動療法実施前後を比較し、実施後には有意な改善を認めたとしています。
この改善には前頭前野が賦活されたことによる影響である可能性がある、と報告されています。

この研究では塗り絵の効果について言及されていませんが、「「思い出塗り絵」が軽度認知症患者の認知機能,心理機能,及び日常生活面に与える効果. 」では対象者の認知機能に対して効果がある可能性が示唆された、と報告されています。
塗り絵を行う時間や頻度などの違いから、研究結果の相違が生まれていると考えることができそうです。

まとめ

この記事ではレクに使える塗り絵の紹介と塗り絵の効果についてご紹介しました。
レクシルにはまだまだ多くの塗り絵が用意されています。

また、塗り絵以外にも運動や頭の体操なども用意されているため、ぜひそちらも活用してみてください。
→レクシル公式ページへ

参考文献
塗り絵による脳活動および気分の変化

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