秋といえば読書や食欲ですが、暑い夏が過ぎ去ってようやく体が動かしやすい季節です。
なので、秋にはぜひ体操を取り入れて、元気に冬を迎える準備を行うのがおすすめです。
秋から冬にかけては空気が乾燥するため、風邪を引きやすくなります。
しかし適度な運動を行うことでNK細胞(ナチュラルキラー細胞)が活性化し、風邪を引きにくくなると言われています。
定期的に体操を取り入れていない施設は、ぜひこの機会に定期的な体操を取り入れてみてはいかがでしょうか。
今回は体操が健康にもたらす影響をいくつかご紹介していきたいと思います。
体操を取り入れて元気な体づくり
季節の変わり目は体調を崩しやすい季節です。
特に秋から冬にかけては空気も乾燥しているため、普段以上に体調を崩しやすい季節かと思います。
風邪を予防するには適度な運動が適していることが報告されています。
適度な運動は体内にあるNK細胞(ナチュラルキラー細胞)を活性化させます。
NK細胞はウイルスによる感染などを除去してくれる作用があるため、風邪を引きにくくなります。
しかし、激しい運動を行った直後に感染源に暴露することで病気にかかりやすくなることも報告されています。
そのため、急激に運動や体操を始めるのではなく、定期的に体操を取り入れておく必要があります。
これまで定期的に体操を取り入れていなかった場合には、まずは軽い負荷量から体操を行うことをおすすめします。
手軽にできる体操
定期的に体操を取り入れていない場合には以下のような体操がおすすめです。
座ってラジオ体操
ラジオ体操はかなり有名ですが、座って行うこともできます。
NHKの番組でも座って行う方法が紹介されていますし、放送時間にテレビを観れない場合にはyoutubeもおすすめです。
立ってやるには負荷が高すぎる場合には、まずは座って行いましょう。
ラジオ体操を座って行うのに慣れてきたら、次は立って行うようにしていきます。
いきなり負荷の高い体操を行うと継続することが難しくなってしまいます。
まず最初は楽にできる程度から体操を始めることをおすすめします。
ストレッチ
定期的な体操を行っていない場合には、ストレッチから始めるのもおすすめです。
少しずつストレッチを行う頻度を増やしていき、体操を行う習慣ができてきたら座ってラジオ体操などど、徐々に負荷をあげていきます。
ストレッチは血流改善に伴い、認知症予防につながるとも言われているのでおすすめです。
スクワット
スクワットはいつでもどこでも手軽に行うことができる体操です。
ストレッチ→座ってラジオ体操→スクワット→立ってラジオ体操
の順で負荷が高まっていくと思います。
ご自身の体力に見合った体操を行うことで、心身ともに良い結果が出てきますよ。
スクワットを行う際に、膝が痛い場合などには無理せず行うのをやめておきましょう。
痛い=よく効いている
というわけではありません。
痛みなどが出る場合には、病院を受診しましょう。
体操の効果1.筋力・身体機能の改善
筋力・身体機能の改善に期待できます。
20歳代と比較すると60歳では上肢で10〜20%、下肢では20〜40%も筋肉量が低下することが報告されています。
また、カナダの報告では45歳以降から全身の筋肉量が減少して行くことが報告されています。
加齢に伴い、筋肉量や筋力、身体機能の低下が生じますが、これをサルコペニアと呼び、身体機能が低下することで何かしらの障害を生じやすくなった状態をフレイル(虚弱状態)と呼びます。
サルコペニアやフレイル状態から転倒などにつながっていくため、いかにサルコペニア・フレイルを予防するかが大切になってきます。
体操を行うことで、筋力や身体機能の改善を図れ、サルコペニアの予防につながると考えられます。
サルコペニアのチェック
サルコペニアである可能性を知る方法として、簡単なのが「指輪っかテスト」と呼ばれるものです。
これはふくらはぎの筋肉の太さをチェックすることで、確認することができます。
まず、椅子に腰掛け両足を床につけます。
そして前屈みになり、利き足でない方のふくらはぎの一番太いところを両手の親指と人差し指で囲みます。
指先同士がくっつかずに、ふくらはぎが囲めない場合には、サルコペニアではない可能性が高いとされています。
また指先同士がくっつかない場合を1倍としたときに、ちょうど囲める状態を2.4倍、隙間ができてしまう場合には6.6倍、サルコペニアの可能性が高いとされています。
これはあくまでも、可能性の話なので、サルコペニアかどうかを正確に判断したい場合には、近くの病院に受診することをおすすめします。
フレイルの定義
- 体重減少
- 主観的疲労
- 日常生活活動量の減少
- 身体能力(歩行速度の減少)
- 筋力(握力)の低下
上記が1〜2項目当てはまる場合にはフレイル前段階、
3項目以上当てはまるばあいにはフレイルと考えられます。
こちらもあくまで参考程度に留めていただき、正確に知りたい場合には近くの病院を受診しましょう。
体操の効果2.生活習慣病の予防
体操などの運動全般は、肥満を予防・改善し、メタボリックシンドロームや糖尿病、高血圧などの生活習慣病の予防効果が期待できます。
厚労省の報告では、
- 1日10分程度のストレッチや体操
- 1日20分程度の散歩やウォーキング
- 週2回程度の下肢・体幹の筋力トレーニング
- 週3回程度のレクや軽スポーツ
などを行うことが勧められています。
また一日あたりの歩数の目安として、
男性:6,700歩
女性:5,900歩
が目標値とされています。
大体1000歩〜1300歩程度歩くのに15分程度かかると言われているので、
1〜2時間程度の散歩でこの目標歩数をクリアすることができます。
連続ではなく途中で休憩してもOKです。
身体活動量が多い方や体操・運動などをよく行っている方は、総死亡や虚血性心疾患、高血圧、糖尿病などの罹患率や死亡率が低いことなどが報告されています。
体操の効果3.食欲促進効果
体操などの運動を行うことで、全身の血流量が増加し、血流状態が改善されます。
また運動量が増加することで食欲促進効果も期待できます。
体操などによって内臓の働きも良くなり、より食欲促進を図ることができます。
どれだけたくさん体操や運動をしていても、食事が摂れないと筋力などは改善してきません。
そのため、体操などを行う場合には食事状態も見直すことが必要です。
まとめ
秋から冬にかけては風邪を引きやすくなる季節です。
定期的な運動で風邪予防が行えますので、手洗い・うがい+体操で風邪を予防していきましょう。
ぜひご紹介した体操を施設でも取り入れてみてください。