介護施設で働かれている方は、何かしらの介護資格を保有している方がほとんどです。
しかし介護資格には初任者研修や実務者研修などたくさんの種類があります。
実はまだ知らない資格を持っていると、キャリアアップにつながる資格もあるかもしれません。
そこで、この記事では介護資格の種類と職業についてご紹介していきます。
介護資格の種類と職業
介護資格は多数存在しており、以下の通りです。
- 介護職員初任者研修
- 介護福祉士実務者研修
- ケアマネジャー
- 介護事務
- 介護福祉士
- レクリエーション介護士
- 介護予防運動指導員
- 福祉用具専門相談員
- 喀痰吸引等研修
- サービス提供責任者
それぞれご紹介していきます。
介護職員初任者研修
介護職員初任者研修は介護の基礎知識・スキルがあることを証明する資格です。
取得するまで最短1ヶ月と短いため、介護現場に就職する前に受験しておくと採用時や給与面で優遇される可能性があります。
介護職員実務者研修
介護職員実務者研修は介護職員初任者研修の上位資格になっています。
実務者研修を取得することで、サービス提供責任者として働くことができます。
また、介護福祉士を目指すならば実務者研修の修了が必須なので、ぜひとも取得したい資格です。
ケアマネジャー
「ケアマネ」と呼ばれる資格ですが、介護保険制度に基づき、利用者さんの心身機能・家屋状況などから必要な介護サービスを立案します、
病院のカンファレンスにも出席することがあり、家族⇄病院をつなぐコーディネーターの役割も大きいです。
コーディネートだけではなく、利用者さんの話を聞き、代わりに意見を述べることもあります。
そのため取得には長期の実務経験(5年以上900日)が必要になってきます。
介護事務
介護事務は、介護保険に関する知識はもちろん、エクセルやワードなどのパソコンスキルも要求されます。
資格を発行している団体はいくつか種類があり、団体によって学習内容が多少異なります。
団体をいくつか調べてみて、自分の学びたい内容がある団体の受講をおすすめします。
介護福祉士
介護福祉士は介護資格で唯一の国家資格です。
介護福祉士の資格を取得するためには、実務経験を積んで取得する方法や福祉系の高校に進学して取得する方法、養成施設に通って取得する3つの方法があります。
社会人の方が働きながら介護福祉士を取得するためには、介護施設での実務経験3年以上と実務者研修修了という2つをクリアし、その後の国家試験に合格する必要があります。
レクリエーション介護士
2014年9月にレクリエーション介護士2級が設立され、「高齢者に喜ばれるレクリエーション」を提供できる人材を輩出するために生まれた資格です。
認定講座を受講し、修了試験に合格すれば誰でも資格取得が可能です。
また、「レクリエーション介護士1級」が上級資格として存在しており、1級を取得することで介護事業所や施設のレクリエーションリーダーとして活躍したりすることができます。
介護予防運動指導員
介護予防運動指導員とは、高齢者の方に快適な生活を送ってもらうために、運動を通して身体ケアを行うための資格で東京都健康長寿医療センターが資格認定を行っています。
介護予防運動指導員の資格を有していることで、介護現場でリーダーを任されたり、高齢者の方からの信頼を得やすくなったりと、介護職の中でも重宝される人材になることができます。
福祉用具専門相談員
福祉用具専門相談員の資格は、介護が必要な高齢者や障害者に介護保険で福祉用具を利用する際にご本人・家族にアドバイスを行います。
また、病院スタッフの相談に乗り、適した福祉用具の選定なども行っています。
喀痰吸引等研修
喀痰吸引等研修は、「たんの吸引(口腔内、鼻腔内、気管カニューレ内部)」と「経管栄養(胃ろう、腸ろう、経鼻経管栄養)」を行える介護職員等を養成するための研修です。
基本研修と実地研修に分かれていて、両方修了することで、医師の指示や看護師との連携のもと「たんの吸引」「経管栄養」が実施できるようになります。
サービス提供責任者
サービス提供責任者は資格名ではなく、訪問介護事業所に設置する必要のある、介護サービス提供に関する責任者のことです。
一定の資格や研修課程を修了することで、サービス提供責任者になることができます。
キャリアアップにつながる資格
介護福祉士を目指す
介護資格は多数存在しており、「キャリアアップのためにはどの資格をとったらいいのかわからない」という声が多く挙がっていました。
そのため、現在では唯一の国家資格である「介護福祉士」を目指すルートに一本化されています。
基本的な流れとしては、「介護職員初任者研修⇒実務者研修⇒介護福祉士」という順番で進めていけば、確実にキャリアアップを図ることができます。
また、介護福祉士の上位資格に「認定介護福祉士」もあります。
実務経験+養成研修600時間が必要になってくるため、間違いなくキャリアアップにつながります。
社会福祉士
社会福祉士は医療と介護の橋渡しを行う国家資格です。
医療現場や介護施設にはMSW(医療ソーシャルワーカー)という職業がありますが、MSWは資格がなくても仕事行うことができます。
しかし、多くの医療機関ではMSWの職には社会福祉士の資格を有していることを応募条件としています。
これは近年医療法が改正されたことにより、社会福祉士しか行うことができない「保険加算業務」の影響があります。
そのため社会福祉士の資格を有している人材は引く手数多といえます。
社会福祉士の国家試験を受験するためには以下の方法があります。
- 4年制大学で指定科目を修めて卒業
- 2~3年制の短期大学等で指定科目を修了したのち、1~2年以上の相談援助業務に従事
- 社会福祉士短期養成施設(6ヶ月以上)を卒業
- 社会福祉士一般養成施設(1年以上)を卒業
さらに細分化する12ルートの受験方法がありますので、HPを確認してみてください。
公益財団法人社会福祉振興・試験センター
社会福祉士の合格率はかなり低めと言えます。
令和2年度の合格率は29.3%と難関試験です。
同年に実施された精神保健福祉士は64.2%、昨年の介護福祉士は69.3%という合格率です。
合格率が少ないことからも資格を有している人材は重宝されます。
まとめ
この記事では介護資格の種類と職業についてご紹介しました。
介護施設で働いている方であれば、認定介護福祉士を、
病院でも勤務することを視野に入れている方であれば社会福祉士の取得が一番のキャリアアップにつながると考えられます。
また社会福祉士の資格を取得後には大学院進学という道もありますので、更なるキャリアアップも目指せます。
これからの時代は高齢者が増えていき、医療・介護職の必要数が増えていくことが考えられます。
そういった中で社会福祉士や介護福祉士は大切な役割を果たす職業と言えるでしょう。