介護施設などで行う高齢者向けレクリエーションは、楽しむことだけが目的ではありません。
レクリエーションの目的は、他者との交流や普段使っていない脳や体を使うことなどたくさんの目的があります。
レクリエーションの企画書を書く際には、こういったことを考えながら作成していく必要があります。
ただ単に楽しそうだから・思いついたからではなく、どういった意図があり・何を目的に行うのか?そういったことを明確に書いていけば企画が通りやすくなります。
この記事ではレクリエーションの企画書を通すための書き方についてご紹介していきます。
ぜひ参考にしてみてください。
なぜレクリエーションの企画書が必要?
そもそもなぜレクリエーションを行うのに企画書が必要なのでしょうか?
あなたが「やりたい」と思った理由は、利用者さんにとってメリットがあるからだと思います。
しかし、あなた一人がやりたいと思っていても、他のスタッフにはやるメリットを理解してもらえないかもしれません。
そこで必要になってくるのが企画書です。
企画書はA4サイズのプレゼンだとイメージするとわかりやすいかもしれません。
プレゼンするときには現状の問題や課題などを掲げ、それを解決するための方法を提案し、行った際のメリット・デメリットを説明し、導入に向けての流れを説明したりするかと思います。
基本的には企画書もこの流れで記載を行っていきます。
以下に例を提示します。
1.現状の問題と課題
例)マンネリ化している、楽しめる人と楽しめない人が混在している。
2.解決するための方法
例)普段とは異なったレクリエーションを行ってみる。楽しめない人が楽しめる内容に変更する。
3.メリットとデメリット
例)普段行わない内容だから脳の活性化が期待できる。脳機能に対して効果があることが論文などで報告されている。準備に時間がかかる。
4.導入に向けての流れ
例)必要物品、必要人数、所要時間など。
こういったことを詳細に書いていき、他のスタッフを納得させることを目的に企画書は作成していきます。
ここからはもう少し細かく解説していきます。
現状の問題と課題
あなたがそのレクリエーションを行いたいと思ったのには理由があるかと思います。
その理由やそう感じた経緯を書いていく必要があります。
「ただなんとなく楽しそうだったから」でも大丈夫です。
そう感じたということは、もしかしたら現状のレクリエーションの内容に利用者さんが楽しめていないからそう感じたのかもしれません。
また、今以上に盛り上げることができるレクリエーションならば理由は乏しくても大丈夫だと思います。
ここでの一番の目的は、他のスタッフにも現状の問題や課題を認識してもらうことです。
認識してもらうことで、議論の前提が揃うため話を進めやすくなります。
解決するための方法
現状の問題や課題を提示するだけでは何も変わりません。
どういったことを行えば現状の問題や課題が解決されるのかを具体的に説明していきます。
「レクリエーションがマンネリ化していて、利用者さんが楽しめていない。」
→「これまでやったことないレクリエーションの内容にすることで、利用者さんがまた楽しめるようになる。」といった具合です。
メリットとデメリット
ここではそのレクリエーションを取り入れることで得られるメリットとデメリットについて書いていきます。
メリットというと難しく感じますが、このレクリエーションを取り入れなかった場合に生じうる問題などを考えていけば書けるかと思います。
「レクリエーションがマンネリ化していて、利用者さんが楽しめていない。」というのが問題だった場合には、このレクリエーションを取り入れなければ、それが解消されないので、そのままメリット・デメリットになるかと思います。
メリット:「これまでやったことないレクリエーションの内容にすることで、利用者さんがまた楽しめるようになる。」
デメリット:「レクリエーションの内容がマンネリ化して、利用者さんが楽しめない。」
といった具合になります。
もし考える余力がある場合には、「なぜそういったメリットが得られるのか?」といった部分も説明できると企画が通りやすくなります。
導入に向けての流れ
最後に実際の導入に向けての流れを説明していきます。
何か新しいことを始めようとすると、その準備のための作業が増えてしまいます。
この作業が増えてしまうと、新しいことを取り入れるメリットが霞んでしまいます。
そのため、導入では生じうるデメリットを最小限に留め、メリットを最大限にするような流れが必要になってきます。
例えば新しい物品を購入するだけならば時間はかからないかもしれませんが、作成する必要がある場合には時間がかかってしまい、メリットを最大限に活かすことができなくなってしまいます。
理想的なのは現在施設にある物品を応用して使うことです。
それだけで購入資金や作成時間を省くことができ、メリットを最大限得ることができます。
違う立場からのメリット・デメリットも考える
企画書を通すときにまずは利用者さんのメリット・デメリットを考えるかと思います。
しかし、介護施設で関わる職種はそれ以外にもいると思います。
利用者さんや看護師など他のスタッフのメリット・デメリットも合わせて考えることができると、より企画が通りやすくなります。
あなたが「やりたい」と思っているレクリエーションの企画書を通すことができたら、他の企画書にも応用することができます。
基本的に企画書は他のスタッフへのプレゼンです。
その企画を行う意義は?行うことで得られるメリットは?生じうるデメリットはなんなのか?
そこまで考えることができれば、企画書は簡単に通すことができます。
まとめ
今回はレクリエーションの企画書を通すための書き方についてご紹介しました。
レクリエーションを例にご紹介しましたが、企画書の書き方は基本的に今回の流れに沿って書けば大丈夫です。
メリットが多くデメリットが少ない、問題解決を行うことができる企画は通ります。
企画書を通すことができれば、キャリアアップにも繋がります。
レクリエーションでは対象が利用者さんでしたが、施設を対象にすることもできます。
あなたが今働いている介護施設の現状の問題点や課題などをピックアップし、それを解決することで得られるメリット(組織の場合は利益など)が大きければ大きいほど、それに貢献した方へのバックも期待できます。
企画書を通す際のポイントを押さえてキャリアアップも目指していきましょう。