レク・体操

パソコンを使えばレクがさらに盛り上がる【具体例付き】

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介護施設で行うレクといえば、介護職員が先頭に立ち、見本を見せながら行うことが一般的かと思います。
しかし、パソコンを使うことで一味違ったレクを行うことができます。

いつも同じ内容のレクを行っているとマンネリ化してしまい、レクを楽しみながら行うことができなくなってしまいます。
そこで、この記事ではパソコンを使ってレクを行う方法についてご紹介していきたいと思います。
ぜひ明日からの業務の参考にしてみてください。

パソコンを使ってレクを行う

インターネット上にはレクで使うことができる動画がたくさんあります。
そういった動画を活用すれば一味違ったレクを行うことができます。

パソコンを使ってレクを行うには、パソコンとテレビをつなぐ必要があります。
パソコンとテレビをつなぐ方法は様々ですが、一般的なのはD-sub15ピンと呼ばれるケーブルを使う方法とHDMIを使ってつなぐ方法です。

最近のテレビにはHDMI端子がついていることがほとんどなので、HDMI端子を使うことができます。
パソコンとテレビを接続したら、パソコン画面で行いたいレクの動画を流すだけです。

YouTubeには様々なレクの動画がアップロードされているので、そちらを使っていきましょう。

パソコンのアプリで脳トレを行う

パソコンのアプリには脳トレに活用できるものがたくさん用意されていますが、基本的には一人で行うものが多いです。
タイピングは指をたくさん動かしながら、文字入力を行っていくため脳の活性化が期待できます。

また、パソコンのアプリに将棋や囲碁などもあるため、施設内に将棋や囲碁をできる方が一人しかいない場合には、パソコンを使うことで行うことができます。

将棋や囲碁は数手先まで考えないといけないため、脳トレにはおすすめです。
基本的には無料で利用することができますし、利用者さんの自主トレとして用いるのもいいと思います。

私が働いている病院では、作業療法の時間に患者さんの認知機能向上の目的などでパソコンを使ってリハビリテーションを行うこともあります。

パソコンは簡便に使うことができますし、自主トレとしても用いることができるので、自由に使えるパソコンがある施設では、パソコンを使ってみるのもいいと思います。

脳トレの成果をパソコンで測定してみる

パソコンを使えば脳トレの成果を図ることもできます。
脳の機能を測るのに一般的にはIQが用いられることが多いですが、IQの測定はパソコンを使って手軽に測定することができます。

認知症について

レクを行う目的の一つに認知症予防があります。
近年、認知症患者数は増加しており、2025年には65歳以上の認知症患者数は約700万人に増加すると想定されています。
これは5人に1人が認知症患者であるということになります。

また、軽度認知障害(MCI)患者も含めると3人に1人が認知症患者とその予備軍に該当する計算となります。
このような背景から平成27年には「新オレンジプラン」という戦略が厚労省から出されています。

これは認知症高齢者などに優しい地域づくりを推進し、認知症の人が住み慣れた地域の良い環境で自分らしく暮らし続けるために必要としていることを的確に応えていくことを旨としています。
(新オレンジプラン)

軽度認知障害患者を1年間放置しておくと12%の人が、4年間放置すると50%の人が軽度認知症になると言われています。
しかし軽度認知障害の段階で適切なトレーニングを行うことで最大44%の人が回復するとも言われています。

そのため、軽度認知障害を早期発見し予防していくことが大切なのです。
(Speed of processing training results in lower risk of dementiaより)

運動が認知機能にもたらす影響

認知症予防や認知症の進行予防の一つに運動が取り上げられています。
ここからは認知症に対する運動の効果についてご紹介していきます。

運動は認知症発症数を減少させるか

これまで身体活動及び運動習慣がアルツハイマー病や脳血管性認知症の発症数を減少させるかに関する研究が多くなされてきました。
少し古いですが、1996年から2007年までに報告された文献では、多くの文献で身体活動および運動が認知機能低下および認知症の発症に対して防御的な効果があることを報告しています。

歩行量が認知症予防に効果的か

またイタリアの研究では、よく歩く群では脳血管性認知症の発症リスクが有意に少なくなったが、アルツハイマー型認知症では、明らかな差は見られず、認知症のタイプにより運動の効果に差があることが示されています。

運動が認知機能を改善するか

別の研究では主観的および客観的に軽度の認知障害を呈する高齢者において自宅で運動プログラムを実施させたところ、認知機能が軽度に改善したことを報告しています。
その後の運動プログラム中止12ヶ月間は効果が持続したと合わせて報告をしています。

認知症予防に対する運動の時間はどの程度行うべきか

65歳から79歳の地域在住高齢者を対象とした研究では、中年期に週2回以上の身体活動を行うことは、認知症発症のリスクを有意に減少させ、アルツハイマー病のリスクも有意に減少させると報告しています。

またシアトルでの報告では、65歳以上の地域高齢者を対象とした場合、週3回以上の運動をした群では、そうでない群に比べて認知症の発症が少ないことを報告しています。

この二つの報告だけで決めるのはあまり良くないですが、週2-3回以上の運動を行うことで、認知症予防の効果がある可能性が考えられます。
厚労省が出している資料では、高齢者は下肢や体幹の筋力トレーニングを週2回程度、レクリエーション活動や軽スポーツを週3回程度行うことをすすめています。

介護職員の方は一度目を通しておくと、認知症予防に関する運動の効果について学ぶことができます。
また、国立長寿医療研究センターの「認知症予防マニュアル」に目を通すのもおすすめです。
日本語で書かれているので、運動が認知症予防などにもたらす効果などについて、より理解を深めることができます。

参考文献
Rolland Y, van Kan GA, Vellas B : Physical activity and Alzheimer’s disease : from prevention to therapeutic perspectives. J Am Dir Assoc 2008 ; 9 : 390.405
Ravaglia G, Forti P, Lucicesare A, Pisacane N, Rietti E, Bianchin M, Dalmonte E : Physical activity and dementia risk in the elderly. Neurology 2008 ; 70 : 1786.1794
Lautenschlager NT, Cox KL, Flicker L, Foster JK, van Bockxmeer FM, Xiso J, Greenop KR, Almeida OP : Effect of physical activity on cognitive function in older adults at risk for Alzheimer disease. JAMA 2008 ; 300 : 1027.1037
Rovio S, Kåreholt I, Helkata E, Vitanen M, Winblad B, Tuomilehto J, Soininen H, Nissinen A, Kivipelto M : Leisure time physical activity at midlife and the risk of dementia and Alzheimer’s disease. Lancet Neurol 2005 ; 4 : 705.711
Larson EB, Wang L, Bowen JD, McCormick WC, Teri L : Exercise is associated with reduced risk for incident dementia among persons 65 years of age and older. Ann Intern Med 2006 ; 144(2): 73.81

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