レク・体操

夏こそ体操を行うべき理由と3つの注意点

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暑さの厳しい夏がやってきました。
この季節に体を動かすと汗をかいて嫌だ、暑くて動く気になれない、などそういう方が多いと思います。

しかし、介護施設などでは冷房が効いていて、夏バテしやすい条件が揃っています。
そのため夏こそ体操を行い、夏バテを解消するべきです。

この記事では夏こそ体操をした方がいい理由と体操を行う際の注意点をご紹介していきたいと思います。
ぜひ明日からの業務の参考にしてみてください。

夏こそ体操を行うべき理由

夏バテの原因は冷房の効いた室内に長時間いることによって生じます。
また、冷房の効いた部屋から冷房の効いていない部屋に移動した時の寒暖差により、自律神経が乱れることで夏バテの症状を引き起こすとも言われています。

そのため、適度に体操を行い汗をかくことで自律神経が活発になり、夏バテを予防することができると言われています。
また、体操でエネルギーを消費することで食欲増進や睡眠の質改善にも繋がります。

手軽に行える体操

夏バテ予防には軽い体操がおすすめです。
運動時間の目安としては20〜30分程度で、軽く息が上がる強度がいいと思います。

ここからは介護施設でも手軽に行うことができる体操をいくつかご紹介していきます。

ズンドコ節体操

ご高齢の利用者さんにおすすめなのが「きよしのズンドコ節」に合わせて体操を行う方法です。
多くの介護施設ではズンドコ節を流したことがあるのではないでしょうか?

ズンドコ節はリズムを取りやすいテンポなので、膝の屈伸をしたり、体を捻る運動など、全身の体操を行うにはおすすめです。

サザエさん体操

サザエさんはかなり昔から放送されており、一度は観たことがある利用者さんが多いと思います。
そんなサザエさんの音楽に合わせて、深呼吸・足踏み・膝の屈伸などを行っていきます。

慣れ親しんだ音楽で、座りながらでも行うことができるため、マンネリ化してしまった体操のレパートリーとしておすすめの一つです。

365歩のマーチ体操

「365歩のマーチ」も耳にしたことがある利用者さんが多いのではないでしょうか。
座った状態でも立った状態でも行うことができる体操です。

テンポのいいリズムなので、足踏みや手の運動などを行いやすいため、こちらの体操もおすすめです。
また、歌詞をホワイトボードに書いておけば、歌詞を歌いながら体操をすることもできます。

ソーラン節体操

ソーラン節も昔からある歌で利用者さんの多くは知っている曲なのではないでしょうか?
体操の合間に手拍子を入れたりしやすく、楽しみながら体操を行うことができます。

立って体操ができる方は、少し難易度を高くしてソーラン節の踊りを簡単にしたものを体操として行ってもらうのもおすすめです。

ソーラン節体操を取り入れた介護施設では、実際に体操を行った際に利用者さんが楽しみながら体操を行うことができた、と報告されています。

体操を行う際の注意点

夏場に体操を行う場合には、普段以上に気をつけないと熱中症になってしまう可能性があります。

また、夏バテして食欲が湧かず、あまり食事を取れていない場合には体力が落ちてしまっていて疲れやすくなっている可能性もあります。

そのため、適度な休憩と水分補給は欠かさず、体操に取り組んでいきましょう。

適度な休息

運動や体操の効果は一度にまとめて行わずとも変わりません。
運動や体操は総負荷量が大切なので、こまめに休息を取りながら体操に取り組みましょう。

長時間連続して効果があるのは、持久力を改善させたい場合などなので、夏バテ予防のために体操を行う際には気にする必要はありません。

また、無理は禁物です。
長時間取り組んだから・無理して行なったからより効果が得られるというものではありませんので、自分のペースで体操を行うことが大切です。

介護施設などでは集団で体操を行う機会が多いかと思います。
そのような場合には利用者さんそれぞれで運動耐用能が異なります。

なので、「多すぎるかな?」というくらい休憩を入れても問題はありません。

こまめな水分補給

夏場は汗もかきやすく、体から水分が失われやすいです。
加齢に伴い喉の渇きを感じにくいという報告もありますので、喉が乾く前に水分補給を取り入れる必要があると思います。

介護施設などでは体操前後での水分補給をルーティンにすることで、喉が乾く前に水分補給を行うことができます。

高齢者が体操を行う効果

ここからは高齢者が体操を行う効果について解説をしていきます。

体操の効果1.筋力・身体機能の改善

高齢者の方が体操を行うことで、筋力・身体機能の改善に期待できます。
加齢に伴い、筋肉量や筋力、身体機能の低下が生じますが、これをサルコペニアと呼びます。

また、身体機能が低下することで何かしらの障害を生じやすくなった状態をフレイル(虚弱状態)と呼びます。
サルコペニアやフレイル状態から転倒などにつながっていくため、いかにサルコペニア・フレイルを予防するかが大切になってきます。

高齢者の方々が体操を行うことで、筋力や身体機能の改善を図れ、サルコペニアの予防につながると考えられます。

体操の効果2.生活習慣病の予防

これは介護施設を利用していない方にも当てはまります。
体操などの運動全般は、肥満を予防・改善し、メタボリックシンドロームや糖尿病、高血圧などの生活習慣病の予防効果が期待できます。

厚労省の報告では、

  • 1日10分程度のストレッチや体操
  • 1日20分程度の散歩やウォーキング
  • 週2回程度の下肢・体幹の筋力トレーニング
  • 週3回程度のレクや軽スポーツ

などを行うことが勧められています。

また一日あたりの歩数の目安として、
男性:6,700歩
女性:5,900歩
が目標値とされています。

大体1000歩〜1300歩程度歩くのに15分程度かかると言われているので、
1〜2時間程度の散歩でこの目標歩数をクリアすることができます。
連続ではなく途中で休憩してもOKです。

身体活動量が多い方や体操・運動などをよく行っている方は、総死亡や虚血性心疾患、高血圧、糖尿病などの罹患率や死亡率が低いことなどが報告されています。

体操の効果3.食欲促進効果

体操などの運動を行うことで、全身の血流量が増加し、血流状態が改善されます。
また運動量が増加することで食欲促進効果も期待できます。
体操などによって内臓の働きも良くなり、より食欲促進を図ることができます。

どれだけたくさん体操や運動をしていても、食事が摂れないと筋力などは改善してきません。
そのため、体操などを行う場合には食事状態も見直すことが必要です。

まとめ

この記事では夏こそ体操をした方がいい理由や体操を行う際の注意点、体操の効果についてご紹介しました。
まとわりつくような暑さ・だるさから体を動かす気にならないかと思います。

そういった場合には、おやつの前に体操を組み込み、体操の後には冷たいおやつなどを提供することで、体操を行う気分になりやすくなると思いますので、おすすめです。

参考文献
U.S. Department of Health and Human Services: Physical Activity and Health. A Report of the Surgeon General, International Medical Publishing, 1996.
Province MA, et al: The effects of exercise on falls in elderly patients. A preplanned meta-analysis of the FICSIT trials. JAMA 1995;273:1341-1347.

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