デイサービスではレクの一環として、カラオケを取り入れている施設があります。
カラオケ用の特別な機器がなくても、どこの施設でも簡単に取り入れることができますし、音楽はリハビリテーションに用いられているほど、身体面や精神面などに様々な効果が期待できます。
この記事ではデイサービスなどの介護施設のレクで使える歌をご紹介していきます。
デイサービスのレクで使える歌
デイサービスを利用されている方はご高齢の方が多いので、その世代の歌を使うのがおすすめです。
また、利用者さんの中にはお孫さんやお子さんの影響で最近の歌を知っている方もいます。
そのため、数曲は利用者さん世代の歌を使い、1〜2曲は少し前に流行った歌を使うのもいいと思います。
音源がなくても、youtubeなどを利用すれば昔の曲から最近の曲まで聴くことができます。
合唱をする場合には、プリントに歌詞をコピーしたり、ホワイトボードに歌詞を書いておくなどすると全員で歌うこともできるのでおすすめです。
ここからは、デイサービスのレクで使えるおすすめの歌をいくつかご紹介していきます。
- 春がきた
- 春の小川
- われは海の子
- 茶摘み
- 赤とんぼ
- 小さな秋見つけた
- ふるさと
- きよしこの夜
- 見上げてごらん夜空の星を
- 上を向いて歩こう
- 青い山脈
- リンゴの唄
- 銀座かんかん娘
- ズンドコ節
上記の歌は筆者が病院や老健で使ってきた歌です。
利用者さんや患者さんからの受けも良かったので、ぜひ参考にしてみてください。
歌を使ったレク
利用者さんで歌を歌うのもいいですが、歌を歌いながら身体を動かすことで、脳と身体どちらにもいい影響を与えることができます。
ここからは歌を使ったレクをご紹介していきます。
イントロドン
高齢者の方が馴染みのある音楽でイントロドンを行うと盛り上がります。
3〜4人程度のチーム制にして行うことで、他者との交流する機会が生まれます。
また音楽を使ったレクは、音楽を使わないレクよりも多くのメリットがあります。
ぜひ音楽を使うことができる介護施設ではイントロドンを試してみましょう。
歌ってボール回し
椅子を円状に並べて座り、複数の形の異なるボールを使うレクです。
先ほどご紹介した曲などを用意して、歌を歌いながら、リズムに合わせて隣の人にボールを回していきます。
体と脳、どちらも使うレクなので脳の活性化が期待できます。
字ぬき歌
あらかじめホワイトボードに歌詞を書いておきます。
歌詞の中に出てくる特定の文字は歌わずに手を叩く、というレクです。
例えば、「むすんでひらいて」の場合には「て」の文字は歌わずに、手を叩きます。
「むーすーんーでーひーらーいー(パン)」となります。
やってみると意外と難しいので、ぜひ取り入れてみてください。
もしもし亀よ体操
「もしもし亀よ」を歌いながら、リズムに合わせて自分の方を叩く体操です。
最初は右肩を8回、リズムに合わせて叩きます。
右肩ができたら、左肩を8回。
両方できたら、右肩4回・左肩4回、右肩2回・左肩2回・右肩2回・左肩2回と交互に左右の肩を叩いていきます。
歌の最後は胸の前で「パン」と叩いておしまいです。
リズムをとる・身体を動かす、と二つのことを同時に行うため、脳の活性化も期待できます。
歌が心身機能に与える効果
音楽を使ったリハビリテーションに「音楽療法」というものがあります。
音楽療法というのは、音楽がもつ特性を活用し、健康の維持や心身障害の機能回復、QOL(生活の質)の向上などを目的に行われています。
音楽は対象者を選ばないため、高齢者から若年者、子供まで音楽療法の対象となる方は幅広いです。
音楽療法を中心に行う方を音楽療法士と呼びますが、音楽療法士は病院や高齢者施設、特別支援学校などさまざまな場所で活躍をしています。
音楽療法は歌うだけではありません。
歌詞作りを一緒に行ったり、実際に楽器を演奏したりもします。
またリハビリテーション中に即興演奏を行う場合もあります。
これらには、対象者の自信を回復させるや、役割を体験する、社会生活技能を高める、協調性を高めるなどさまざまな効果が期待できます。
音楽療法の効果
音楽療法の効果には不安や痛みの軽減、精神的な安定、自発性・活動性の促進、脳の活性化、身体の運動性向上などさまざまな効果を有しています。
私たちも音楽に救われたことがあるのではないでしょうか?
また音楽を聴くことで気持ちが落ち着き、気分が晴れることを経験したことがあるのではないでしょうか?
そのような音楽の特性を活かしているのが、音楽療法になっています。
バリー・キャシレスという方が書いた著書「代替医療ガイドブック」には
「音楽療法は確証済みの補完療法であり、多くの病状や問題に効果をあげている。治癒力はなく、いくつかの補完療法のように、重大疾患の治療法として勧められることもない。しかし、優れた補完医療法の例にもれず、幸福感や生活の質を高め、症状を軽減し、初期治療やリハビリテーションの効果を高めてくれる」
と記載されています。
カラオケは認知症予防にもつながる
昔よく聞いていた曲を今聴き直すと、その時の風景や記憶が蘇ってきますよね?
音楽は「記憶の扉を開けるカギ」とも言われており、音楽を聴いた際・カラオケを歌った際に、過去の記憶が蘇り、その時を
思い出そうとすることで脳が活性化され、認知症予防の効果にもつながると言われています。
また、歌詞をそらんじて歌うことで記憶力の維持向上にもつながるため、介護施設などでカラオケをレクリエーションとして行うことはとってもおすすめなんです。
懐かしいメロディが聴こえてきたときに昔を思い出す、回想法という手法もあります。
回想法では、思い出を引き起こすために写真や絵画などを使うことがありますが、音楽もその一つです。
回想法は、他者とのコミュニケーションを深めたり、自己を再認識する、昔と今と未来をつなぐなど、さまざまな効果が期待されています。
そのため、カラオケを通じて昔を思い出すことで、回想法と同じような効果が期待できます。
また、合いの手を入れたり、マイクを交互に持ったりなど、他者との交流も生まれます。
少人数でも利用者さんの中でカラオケが好きな人がいればその方々とコミュニケーションをとる機会も生まれます。
まとめ
この記事ではデイサービスのレクで使える歌や歌を使ったレクなどをご紹介しました。
歌を歌いながら身体を動かすことで、二重課題となり、脳にとっていい刺激となります。
また、歌を歌うことは心肺機能の維持・向上効果も期待できます。
ぜひ今回の記事を参考に、明日からのレクに活用してみてください。