介護施設で行うレクには個別レクと集団レクの2種類があります。
個別レクでは、利用者さんがそれぞれ好きなものを行うことができるので楽しみやすいですが、集団レクではそれぞれの好きなものを行うというわけにはいきません。
しかし、集団レクを行う以上は参加している利用者さんにはできるだけ楽しんでいただきたいものです。
そこでこの記事では介護施設向けに集団レクの楽しみ方のポイントをご紹介していこうと思います。
明日からの業務の参考になると思いますので、最後までお読み頂ければ幸いです。
介護施設向け集団レクの楽しみ方
集団レクの楽しみ方のもっとも大切なことは、「介護職員も一緒に楽しむ」ということです。
「笑いは周囲の人にも伝播する」とも言われています。
笑いが伝播するメカニズムは今のところはまだわかっていませんが、脳にあるミラーニューロンと呼ばれるものが関与しているのではないか?と言われています。
介護職員が楽しみながら集団レクを行うことで、利用者さんも楽しむことができるようになります。
まずは介護職員が楽しむことから始めましょう。
アイスブレイク
集団レクでは、普段話をしない利用者さん同士が同じグループになったり、隣に座ったりすることがあります。
ちょっとしたスキンシップがあればお互いの距離をグッと近づけることができます。
ミニゲームを取り入れたり、自己紹介後に握手をしたり、簡単なことでOKです。
たったそれだけで場の空気が和み、集団レクを行いやすくなります。
また介護職員の自己紹介も大切です。
集団レクでは、先頭に立ってレクを説明する介護職員がいるかと思います。
この時の自己紹介で利用者さんに笑ってもらえるかどうかで、その後の集団レクの楽しみ方が変わってきます。
介護職員は鉄板の自己紹介ネタを持っておいても損はないでしょう。
介護職員の失敗例で説明をする
集団レクを行うときには、介護職員が見本を見せながら説明を行うことが多いかと思います。
そんなときに介護職員が失敗をすれば、利用者さんの笑いを得ることができますし、利用者さんは「失敗してもいいんだ」というふうに感じてくれます。
小さくてもいいので、笑いが起きることでその場の雰囲気が和み、集団レクが行いやすくなります。
合いの手を入れる
集団レクが始まってからは合いの手を必ず入れましょう。
周囲にいる介護職員が率先して合いの手を入れることで、利用者さんはより一層楽しむことができます。
合いの手を入れるときには、鼓舞する合いの手や、利用者さんを褒める合いの手など様々なものを取り入れていきましょう。
ルール厳守にしない
集団レクではある程度のルールは守らない方が盛り上がりやすくなります。
しかし利用者さんの中には、ルール厳守の方もいますので、説明のときにある程度は許容することをあらかじめ説明しておくといいでしょう。
ルール厳守を徹底すると、厳しくなりすぎてレクに集中することができなくなってしまいます。
集団レクの目的はあくまでも楽しみながら体を動かすことであったり、脳トレを楽しみながら行うことなので、ルールに関してはある程度許容しておいても大丈夫です。
他者との交流を意識する
集団レクを行う際にはなるべく利用者さん同士の交流が生まれるように意識していきましょう。
元々レクは「遊び」に近いものでした。
それが徐々に他者との交流を前提に発展を遂げてきました。
他者との交流が生まれるようになることで、生きがいを再発見し、自身のQOLを高める効果も期待できます。
そのためにもアイスブレイクが重要になってきます。
アイスブレイクがうまくいくと、その後は利用者さん同士が自然とコミュニケーションをとってくれやすくなります。
またチーム制で集団レクを行うことで他者との交流が生まれやすくなるのでおすすめです。
適宜休憩を入れる
集団レクの種類によっては疲れやすい内容のものもあります。
そのようなレクを職員中心で進めていくと利用者さんにとっては過負荷になってしまう可能性がありまし、利用者さんごとによって体力は異なってきます。
そのため休憩の頻度は「ちょっと休みすぎかな?」くらいがちょうどいいと考えています。
そこまで大変に感じない利用者さんもいると思うので、そういった場合には休憩時間にも手軽にできる内容のレクを追加で行うといいと思います。
手軽に楽しめる集団レクの例
ここからは手軽に楽しむことができる集団レクの例をご紹介していきます。
レクを行うことで体にも脳にもいい影響ばかりです。
ぜひ取り入れてみてください。
連想ゲーム
お題を一つ決めておきます。
利用者さんには紙と鉛筆を渡しておき、お題から連想されるものを紙に書いておきます。
全員が書き終えた後に、全員の回答をチェックします。
このとき、ダブった回答の数分をマイナスして、ダブらなかった数を得点にします。
例えばお題が「夏」の場合、連想されるのは「花火」や「スイカ」「海」「BBQ」などです。
チーム制にして、より多くの点数を獲得できたチームの勝利です。
他者が何を書くのか想像しながら、自分の回答を書くため、より一層脳の活性化が期待できます。
手足で玉入れ
利用者さんが座っている位置から少し離れたところに箱を置いておき、そこめがけてお手玉を入れていきます。
手で玉入れをするのでは簡単な場合もありますので、そういった場合には足を使いましょう。
足を使って入れた場合には、得点は2倍などにするとより楽しむことができます。
入ったお手玉の数を数えるときには、利用者さんと一緒に数を数えると盛り上がります。
イントロドン
利用者さんの馴染みのある音楽でイントロドンも盛り上がります。
こちらもチーム制にすることで、他者との交流も生まれやすくなります。
また音楽を使ったレクリエーションは、使わないレクリエーションより多くのメリットがあります。
ぜひ音楽を使うことができる介護施設ではイントロドンも試してみてください。
すごろく
いくつかのチームに分けて、すごろくも盛り上がります。
マス目には「脳トレ」や「運動」などを入れておくと、すごろくを楽しみながら、頭と体の体操もすることができます。
「ゴールするための条件」などを設定しておくことで、なかなかゴールできない悔しさとゴールされなかった喜びの両方で全員が盛り上がることができます。
まとめ
この記事では介護施設向けに集団レクの楽しみ方をご紹介しました。
集団レクで利用者さん全員に楽しんでもらえることが理想ですが、なかなかうまくいかないのが現実です。
昨日より今日。今日より明日。
集団レクを利用者さん皆さんが楽しめるように創意工夫してみてください。
また「レクシル」では手軽に行うことができる集団レクや頭の体操などを紹介しています。
ぜひ明日からの業務の活用してみてください。
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