脳トレ・塗り絵

老人ホームで行いたい脳トレ方法【おすすめ5選】

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介護施設やデイサービス、老人ホーム、病院など多くの場所で脳トレは行われています。
最近では、認知症予防として一般の方にも広く知れわったてきています。

そんな脳トレですが、老人ホームのレクリエーションとして行いたいおすすめ脳トレがあります。
この記事では、病院と老健で勤務してきた筆者が、老人ホームなどの介護施設で行いたいおすすめの脳トレを紹介していきたいと思います。

老人ホームで行いたい脳トレ

一般の方にも広く知れ渡っている「脳トレ」ですが、ドリルなどを使った脳トレを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?
脳トレはドリルを使ったもの以外にもたくさんあります。
ここからはドリル以外を使った脳トレについて紹介をしていきたいと思います。

体を使った脳トレ

右手と左手、右足と左足など、左右非対称に動かすことも脳トレになります。
例えば指折り体操。
両手をグーにして、右手は小指を伸ばして、左手は親指を伸ばします。「ハイ」の言葉で左右の指を入れ替えます。
右手:小指・左手:親指→ハイ→右手:親指・左手:小指
「もしもしかめよ」などの童謡に合わせてやることで、難易度調整なども簡単に行うことができるので、おすすめです。

また、別の指折り体操もあります。
両手をパーにして親指から順番に指を曲げて、小指から伸ばしていきます
このときに、右手と左手をずらすことで、難易度をあげることができます。

右手:パー・左手:親指を曲げる→右手:親指を曲げる・左手:人差し指を曲げる
左右の指が一本ずつ遅れて折れていけば、成功です。
やってみると意外と難しいので、介護職員の方も一緒に楽しむことができます。

左右の手足を使った体操

左右の手足を一緒に使った体操もあります。
1. 右手と右足を前に出す。
2. 左手と左足を前に出す。(同時に右手と右足は後ろに戻します。)
3. これを繰り返す。

慣れてきたら左右をバラバラに行っていきましょう。
1. 右手と左足を前に出す。
2. 左手と右足を前に出す。(同時に右手と左足を後に戻す。)
3. これを繰り返していきます。
指折り体操と同様に、スピードをあげることで難易度を調整することができます。

トランプを使った脳トレ

トランプを使うことで簡単に脳トレを行うことができます。
おすすめは神経衰弱
どこでも手軽に行うことができます。
利用者さんの脳機能に合わせて、カードの枚数を変えることで難易度調整をすることもできます。

どこにどのカードがあったのか?自分の開いたカードがなんだったのか?など、短期記憶に関わる脳機能のトレーニングになります。

回想法

脳トレとして「回想法」もおすすめです。
回想法は、昔の懐かしい写真や音楽、昔よく使っていた物品などをみたり触れたりしながら、昔の経験や思い出を語り合う方法です。

回想法は特に認知症の方へのアプローチとして用いられています。
認知症の方は、最近の記憶を保持しておくことは難しいですが、過去の記憶はしっかりと保持されています。
昔のことを思い出して言葉にしたり、介護職員や他の利用者さんの話を聞くことで脳が活性化され、活動性や自発性、集中力の向上などが期待されます。

認知症の方を対象に回想法を用いた研究では、認知症患者の生活の質、認知機能、コミュニケーション、気分を改善できるという報告がされています。
回想法には様々なやり方がありますが、脳トレの一種として取り入れることはおすすめできます。
回想法についてより詳しく知りたい方は、回想法基礎・専門研修などがありますので、そちらに参加してみるのもいいと思います。

コグニサイズ

脳トレとしてコグニサイズもおすすめです。
やり方は簡単。
1. 運動課題は全身を使った中強度程度の負荷で、脈拍数が上昇するもの
2. 運動と同時に行う認知課題は、運動の方法や認知課題をたまに間違えて答えてしまう程度の問題
上記の2種類を満たすものを行えばOKです。

中強度程度の負荷というものは、軽く息が弾む程度の運動を指します。
認知症は加齢に伴って誰しもが生じうる可能性を秘めています。

しかしコグニサイズは認知症の発症を遅らせることを目的として作られており、完全に認知症を予防することは難しいです。
しかし脳の活動を活発にする機会を作るということは、脳にとって良い影響を与えます。
そのため、認知課題がノーミスでクリアできてしまうと、脳に対しては負荷がかかっていない(=簡単すぎる問題)といえますので、難易度調整を上手に行っていきましょう。
コグニサイズの詳細を確認

認知症予防には運動もおすすめ

運動と認知機能は多くの研究者が興味のある分野であり、かなりの数報告されており、認知症予防に対する運動は一定の効果を示すことが言われています。

例えば、ウォーキングを行うよりも高強度の運動を週3回以上行っていた高齢者は、運動習慣のない高齢者に比べて認知症の発症リスクが低かったとされています、

また、認知機能障害のない方を対象にした研究では、週3回以上の運動習慣を持っている高齢者は、週3回未満の高齢者に比べて認知症になるリスクが減少することなども報告されています。

運動の内容としては、単一の運動を行うよりも、ウォーキングや水泳、サイクリング、ゴルフなど複数の運動を組み合わせて行う方が認知症の予防効果が高いことも明らかにされています。

認知症の進行予防にも運動がおすすめ

また認知症の方に対する運動の効果も多く報告されています。
認知機能の改善、情動・精神機能の安定や改善、日常生活動作の改善などを目的に運動を行っていきます。
認知症予防ほどの数が報告されているわけではありませんが、現段階では進行予防にも運動を取り入れるべきとされています。

まとめ

この記事では老人ホームで行いたいおすすめの脳トレをご紹介しました。
脳トレの効果は主に認知症予防が期待されています。
また、認知症予防・進行予防には体操などの運動が勧められています。

脳トレのレパートリーに悩んだときには「レクシル」を参考にするのもおすすめです。
レクシルでは脳トレや簡単に行うことができるレクリエーションなどが紹介されています。
ぜひ、明日からの脳トレ・レクリエーションのお供にしてみてください。

参考文献
Laurin D, Verreault R, Lindsay J, MacPherson K, Rockwood K.: Physical activity and risk of cognitive impairment and dementia in elderly persons. Arch Neurol. 2001; 58(3): 498-504.
Larson EB, Wang L, Bowen JD, et al.: Exercise is associated with reduced risk for incident dementia among persons 65 years of age and older. Ann Intern Med. 2006; 144(2): 73-81.
Podewils LJ, Guallar E, Kuller LH, et al.: Physical activity, APOE genotype, and dementia risk: findings from the Cardiovascular Health Cognition Study. Am J Epidemiol. 2005; 161(7): 639-651.

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