脳トレ・塗り絵

介護レクには塗り絵が最適!知られていない3つの効果とは?

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介護レクの一環として塗り絵を行うことがよくあります。
手軽に始められるため、人気な塗り絵ですが、実は塗り絵にはあまり知られていない脳トレの効果もあるんです。

近年、脳機能の回復や認知症予防にも「塗り絵などの指先を使用した作業が効果的」である報告が増えてきています。

塗り絵には以下のような効果が期待できます。

  • 脳の活性化
  • 集中力up
  • ストレス発散

今回は介護レクに塗り絵が最適な理由や、塗り絵による脳トレ効果などについてご紹介していきます。

介護レクで塗り絵が最適な理由

介護レクで塗り絵が最適な理由としては、

  • 脳の活性化
  • 集中力up
  • ストレス発散

などが挙げられます。
次からは上記の理由について詳しく解説をしていきます。

塗り絵で脳の活性化が期待できる

介護レクで使用する塗り絵は絵画レベルの塗り絵からキャラクターや花、風景などさまざまな種類があります。
どのような種類の塗り絵であれ、

  • どういった色を使うか
  • 濃淡をどうするか
  • どこから塗るか

などを考えて塗り絵は進めていきます。

こういった、作業をどのように遂行していくか、ということを考えるのが脳の活性化に必要になります。

そのため介護レクで塗り絵を行う際には、「どこから塗り始めてどのように完成させるか」といったことを利用者さんと一緒に考えていけると脳の活性化に繋がります。

また、認知症を有している場合には、塗り絵を行った場合と行っていない場合で認知症の進行に違いがあったことも報告されています。

入院や施設入所されている方では、外からの刺激が少なくなってしまい、認知症が進行してしまうケースがよくあります。
そういった場合には、塗り絵などで外から刺激を加えることで、認知症の進行予防も期待できるかもしれません。

実際に、筆者の働いている病院では作業療法というリハビリテーションの時間に塗り絵を取り入れています。
塗り絵とカレンダーがセットになっているものを元に患者さんオリジナルのカレンダーを作ってもらい、それで1ヶ月のスケジュールを把握してもらうようにしています。

その日に行ったリハビリテーションの内容なんかを書いたりもしています。

細かな作業も脳の活性化につながる

塗り絵のような細かい作業は脳の活性化にもってこいです。
特に手先を使うような作業では、前頭前野と呼ばれる脳領域の機能が活性化することが期待できます。
判断や注意・集中力、運動コントロールなどの機能を活性化することが期待されています。

手先を使う細かい作業は塗り絵以外にも工作などがあります。
ぜひ塗り絵と合わせて工作も行ってみてください。

利用者さんの集中力upにつながる

2つ目の塗り絵の効果ですが、集中力upがあります。
絵画レベルの塗り絵ではアート性が高く色の選択や色の濃淡などの色つけの際に集中力を要するということが言われています。

それをきっかけに作られたのが、「コロリアージュ」と呼ばれるフランス版塗り絵です。
アート要素の強い塗り絵を選択することで利用者さんの集中力upにつなげることができます。

塗り絵をしている最中の脳機能を測定した研究では、塗り絵を行っているときには前頭葉が活性されることが報告されています。
前頭葉の機能が低下すると、疲れやすくなったり、一つの物事に集中できない、物事を完遂できない、などといった症状が現れてきます。

そういった前頭葉の機能を維持させるためにも塗り絵は効果を発揮します。

ストレス発散効果もある

さらに、塗り絵にはストレス発散効果があることも報告されています。
先ほどのコロリアージュや絵画レベルの塗り絵では色つけしていくことに集中することで、結果的にストレスが軽減している、ということです。

これは実際にフランス人女性に対するアートセラピーとして取り入れられています。

アートセラピーは主に欧米で取り入れられている心理療法ですが、ここ最近は国内でもそういった報告が増えてきています。

治療を主目的にせず、作業などに取り組んだ結果、リラックス効果や意欲回復効果などがうまれてきます。
また、自分が一生懸命仕上げた作品を眺めることでもリラックス効果が期待できます。

塗り絵が完成したら施設に飾ってみるのもいいでしょう。塗り絵の効果は高齢者だけではなく、30-40歳代でも効果があります。

大人になると何か一つに集中して取り組むという機会が減ってしまいます。
そんなときに絵画やコロリアージュといった塗り絵を行うことで、一つの作業に集中して取り組むことができます。

一つの物事に集中していると呼吸が整い、ストレス発散効果が期待できると言われています。

思い出塗り絵の効果

作業療法の一つに「思い出塗り絵」というものがあります。
これは「回想法」と呼ばれる治療的要素と塗り絵を組み合わせた方法です。
対象者の方と思い出が深いと思われる写真を用意し、画像処理を行ったのち、塗り絵にするといったものです。

この研究では1ヶ月半程度、週一回、思い出塗り絵を行ってもらい、その後の脳機能を評価しています。
結果としては、思い出塗り絵を行うことで、対象者の認知機能に対して効果がある可能性が示唆された、と報告されています。

この結果は、どういった場面だったのか、どのときの場面だったのかなど、過去の出来事などを思い出しながら作業に取り組んだからだと言えます。

この研究から言えることは、ただ単に色を塗るよりも、どういった配色にするのか、どこから塗るのか、完成はどういったものをイメージしているのか、など、さまざまな要素を考えて塗り絵を行うことで、脳機能の活性化につながると言えます。

まとめ

今回は介護レクで塗り絵が最適な理由を解説しました。介護レクで行う塗り絵は単純な作業のようにみえても、実は脳の機能にいいことがたくさんあります。

大人になってからの塗り絵も多くの効果が期待できるのでぜひ職員の皆さんも取り組んでみてください。

筆者のおすすめは「大人の塗り絵」です。ものによっては24色の色鉛筆がセットでついてきたりもするので、気軽に始めることができます。
ぜひ利用者さんと一緒に塗り絵を楽しんでみてください。

参考文献
田中宏明ら.「思い出塗り絵」が軽度認知症患者の認知機能,心理機能,及び日常生活面に与える効果. Journal of rehabilitation and health sciences.2009;7:39-42.

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