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ホームヘルパーによる入浴介助とは?

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在宅で一人で入浴することが難しい方のために、ホームヘルパーを利用した入浴介助があります。
ヘルパーを利用した入浴介助では一人でもある程度動ける方が対象となりますが、ヘルパーの方が行うことができる介助はどこまでなのでしょうか?

この記事ではホームヘルパーによる入浴介助についてご紹介していきたいと思います。

ホームヘルパーの業務内容

ホームヘルパーという名称は変更となり、現在では「訪問介護員」という名称になりました。
訪問介護員の業務内容は以下の3つになります。

  • 身体介助
  • 生活援助
  • 通院援助

また、厚労省の参考資料には訪問介護とは以下のように定義されています。

 「訪問介護」とは、訪問介護員等(※)が、利用者(要介護者等)の居宅を訪問し、入浴・排せつ・食事等の介護、調理・洗濯・掃除等の家事等を提供するものをいう。

※「訪問介護員等」 介護福祉士、実務者研修修了者、介護職員初任者研修修了者、 旧介護職員基礎研修修了者、旧訪問介護員1級又は旧2級課程修了者をいう。

訪問介護は利用者さんの介助を行いますが、あくまでも自立支援のための介護保険サービスであり、ホームヘルパーが全てを行うわけではありません。
利用者さんが行うことができることは利用者さんにやってもらい、できない部分を少しだけ手伝う、というイメージです。

できるADLからしているADLへと

訪問介護はあくまでも自立支援のためのサービスです。
そのため、自分自身でできることは自分自身で行っていただく必要があります。

できるADLとしているADLという言葉があります。
できるADLとは、リハ場面では一人で行うことができるが、環境が変わると一人で行うことができないADLのことを指します。
また、しているADLとは、その方が普段から行うことができているADLを指します。

入浴ひとつとってもさまざまな動作があります。
その中にはご自分でも行うことができる動作も含まれていることがあります。
そのため入浴などの介助はできるADLをしているADLへと向上させていくことが大切です。

機能的には一人でできるのに、ついつい過介助になってしまうことも多くあります。
利用者さん自身が行うことができる内容は利用者さん自身に行ってもらうようにしましょう。

入浴に関わる動作である、着衣や脱衣も自身で行うことができる場合には自身で行ってもらう必要があります。

身体介助

身体介助とは、利用者さんの身体に直接触れる介助全般のことを言います。
寝返り・起き上がりなどの起居動作、立ち上がり・立位保持、歩行介助などの基本動作であるADL(日常生活動作)の介助を行います。

利用者さんの自立支援・重度化予防のために行う重要なサービスとなっています。
基本動作は何か目的があって行うため、その先の動作も介助していきます。

例えば排泄介助や食事介助、移動・移乗介助などがあります。
身体介助は利用者さんによって内容が異なります。
起居動作から立ち上がり・移乗動作まで介助が必要な方もいれば、立ち上がりまでは一人でできるけど移乗動作は介助が必要な方もいます。

そのため、利用者さんの身体能力に合わせた介助を行うことが大切になってきます。

生活援助

生活援助とは利用者さんの日常生活に必要な家事などの援助のことを言います。
あくまでも利用者さんの日常生活に必要な援助なので、本人以外の食事を作る・来客のもてなしを行うなどは生活援助のサービス外になります。

具体的には、掃除や洗濯、利用者さんのご飯の支度、買い物などが該当します。

通院援助

通院援助とは利用者さんが病院などに行く際に付き添いを行うことです。
通院援助ではありますが、行政機関にいく場合などにも該当します。
車を使う場合には車両の乗降介助やサポートなども行います。

しかし、介護保険上、病院の待合室や診察室まで付き添うことはできません。
病院の正面玄関までが訪問介護員のサポート範囲内となっています。

ホームヘルパーによる入浴介助

ホームヘルパーによる入浴介助は原則一名で行うため、利用者さんはある程度動ける必要があります。

身体は洗うことができるけど背中は洗えないから介助してほしい。
肩が上がらなくて頭を洗うことができないから、介助してほしい。

などといった場合には、ホームヘルパーによる入浴介助が適応かと思います。

しかし、寝たきりの方や動くことができない方などの場合には、ホームヘルパーによる入浴介助ではなく、訪問入浴介護を利用した入浴介助となります。

介助を行えない部分

入浴中に多いのは、男性の髭剃りかと思います。

「うまく見えないからヒゲを剃ってほしい」ということがあるかと思います。

しかし、ホームヘルパーの場合には剃刀を使った髭剃りは行ってはいけないことになっています。
刃物を使うため、思わぬ事故につながってしまうからです。

そのため、髭剃りをお願いされた場合には、電気シェーバーで行うか、剃刀を使用する場合には自分でやっていただくようにします。

訪問介護の料金表

サービス内容

時間

単位

料金目安

介護保険

1割負担

介護保険

2割負担

介護保険

3割負担

身体介護

20分未満

167

1,670円

167円

334円

501円

20分以上30分未満

250

2,500円

250円

500円

750円

30分以上1時間未満

396

3,960円

396円

792円

1,188円

1時間以上1時間30分未満

579

5,790円

579円

1,158円

1,737円

以降30分増すごとに

+84単位

       

生活援助

20分以上45分未満

183

1,830円

183円

3666円

549円

45分以上

225

2,250円

225円

450円

675円

身体介護

生活援助

身体介護:20分以上30分未満

生活援助:20分以上45分未満

317

3,170円

317円

634円

951円

身体介護:20分以上30分未満

生活援助:45分以上70分未満

384

3,840円

384円

768円

1,152円

身体介護:20分以上30分未満

生活援助:70分以上

451

4,510円

451円

902円

1,353円

身体介護:30分以上60分未満

生活援助:20分以上45分未満

463

4,630円

463円

926円

1,389円

身体介護:30分以上60分未満

生活援助:45分以上70分未満

530

5,300円

530円

1,060円

1,590円

身体介護:30分以上60分未満

生活援助:70分以上

597

5,970円

597円

1,194円

1,791円

通院などの乗車降車などの介助

 

99

990円

99円

198円

297円

夜間(午後6時~午後10時)・早朝(午前6時~午前8時)は25%の割増、深夜(午後10時~午前6時)は50%の割増料金となります。
また、そのほかに加算が加わる場合などもありますので、あくまで参考です。

まとめ

この記事ではホームヘルパーによる入浴介助についてご紹介しました。

ホームヘルパーの介助を受けれるのは、介護認定を受けているご本人だけです。

利用者さんの友人が来るから、準備やあと片付けをしてもらう。
孫が来るから一緒に食事の準備をしてもらう。

などといったことは介助を行うことができませんので、注意が必要です。

また、訪問介護はあくまでも自立支援に向けてのサービスであるということを忘れないように、支援を行えるといいと思います。

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