介護現場というと、資格がないと働くことができないのではないか?
と思う方がいるかと思います。
しかし、現在は介護職は未資格でも働くことができます。
この記事では介護職に就く際に未資格でも働くことができる仕事内容や給与に関してご紹介していきます。
介護職は未資格でも働くことができる
介護職は未資格でも働くことができます。
実際に、現在介護現場で働いている方の中にも未資格の方はいます。
しかし、これから介護現場で働こうと考えている方は、何かしらの資格を取得しておくことをおすすめします。
介護に関する資格取得を勧める理由
2021年に介護報酬の改定がありました。
今回の介護報酬改定では、各サービスの運営基準が見直され、全ての未資格介護職員に「認知症介護基礎研修」の受講が義務付けられるようになりました。
経過処置は3年間と長めです。
また、疑義解釈ではさまざまな内容が明らかとなっています。
養成施設で認知症に関する科目を受講したが介護福祉士の資格を持っていない人は、事業所や自治体が卒業証明書、履修科目証明書で科目の受講を確認できることを条件に対象外とする。
認知症サポーター養成講座の修了者は対象外とならない。などです。
認知症介護基礎研修はeラーニングで行うことができます。
受講時間は約6時間で、認知症の人の理解や対応の基本、ケアの留意点を学ぶことができます。
今年度から2023年までは経過措置期間であるため、そこまでは介護現場で未資格でも働くことができます。
しかし、2024年度からは完全義務化になるため、介護現場で未資格で働くことができなくなります。
そのため、2024年度までには何かしらの資格を取得しておく必要があります。
認知症介護基礎研修で学べる内容
認知症介護基礎研修では認知症の方と関わる上での基本となる知識・技術を学ぶことができます。
これから高齢化がますます進むと5人に1人は認知症であると言われています。
認知症の方との接し方を学んでおくことは、これからの時代に必要な内容と言えます。
また、認知症介護基礎研修をきっかけに更なる上位資格を取得することもできます。
未資格者と介護福祉士の給与の違い
介護施設で未資格で働く場合と介護福祉士として働く場合には約5万円程度の給与の差があります。
介護福祉士は介護職唯一の国家資格であるため、給与も高くなっています。
未資格の給与は平均すると25~27万円程度になっています。
介護職には夜勤もあるため、夜勤手当てなどが含まれるため、未資格でも一定の給与をもらうことができます。
おすすめの介護資格
介護職の資格にはさまざまなものがありますが、早いうちに取得するのであれば認知症介護基礎研修の対象外となる介護職員初任者研修や介護職員実務者研修がおすすめです。
介護職員実務者研修は介護福祉士の受験資格でも必要であるため、今後介護福祉士の受験を検討している場合には、早いうちに修了しておくのがいいと思います。
介護職員初任者研修も実務者研修もどちらも年齢や学歴、受講資格は不問であるため、手軽に資格を取得することができます。
介護職員初任者研修
介護職員初任者研修はこれまでホームヘルパー2級と呼ばれていました。
ホームヘルパー2級では介護施設での5日間の実習がありましたが、初任者研修に変更になってからは実習が廃止となりました。
その分座学の時間が増え、スクーリングも増えています。
研修期間は1~4ヶ月程度です。受講時間は130時間と定められています。
介護職員実務者研修
介護職員実務者研修はホームヘルパー1級に該当する資格です。
研修期間は2~6ヶ月、受講時間は約450時間と定められています。
介護職員実務者研修は初任者研修を受講していなくても取得することができるため、実務者研修から取得するのがおすすめです。
しかし、先に初任者研修を取得していた場合には、実務者研修の研修時間が130時間免除になるため、無駄にはなりません。
介護福祉士
介護職の資格で唯一の国家資格が介護福祉士です。
国家試験ですが、合格率は70%代であり、そこまで難易度の高い試験ではありません。
将来的には介護福祉士の資格を取得したい、と考えている方もいるかと思います。
介護福祉士の資格を取得するためには3つの方法があります。
1.実務経験ルート
実務経験ルートでは、介護の実務経験を積んだ上で国家試験を受験し、介護福祉士の資格取得を目指す方法のことを指します。
実務経験ルートで介護福祉士の取得のためには、実務者研修修了と介護職の実務経験3年かつ540日以上の従事が必要になります。
実務者研修を修了されていない場合には、受講するようにしましょう。
2.福祉系高校ルート
高校の中には福祉科や介護福祉コースなどの科がある高校もあります。
このような高校を卒業することで介護福祉士国家試験の受験資格を得ることができます。
また、福祉系特例高校では高校卒業後に実務経験を9ヶ月以上積むことで受験資格を得ることができます。
3.養成施設ルート
養成施設とは厚労省が認可している大学や短大、専門学校を指します。
普通科高校の卒業生は2年以上、福祉系大学、社会福祉士養成施設、保育士養成施設のいずれかの卒業生は1年以上通えば介護福祉士国家試験の受験資格を得ることができるので、最短で介護福祉士になれるルートとなっています。
介護人材の不足
2025年問題や2035年問題が有名ですが、介護業界では人手不足が深刻です。
そのため介護職の給与は高めに設定されていることが多いです。
厚労省は介護人材の確保に力を入れているため、給与は今後まだ増加していくことが考えられます。
さらに、未資格者である場合には、資格取得後にお祝い金を出してくれる職場もあります。
特に介護福祉士の資格取得には力を入れている施設が多く、「介護福祉士取得を目指すものに対する実務者研修などの受講支援」を実施している施設は全体の67.4%に上ります。
介護福祉士を受験する予定がなくても、今後介護報酬改定に伴いどう変化していくかわかりませんので、実務者研修は修了しておくことをおすすめします。
まとめ
この記事では介護職に就く際に未資格でも働くことができる仕事内容や給与に関してご紹介しました。
2021年度現在では介護職として働く場合には、未資格でも働くことが可能です。
有資格者と比較すると給与は下がりますが、夜勤手当てもあるため、一定の給与は得ることができます。
しかし、2024年度以降は何かしらの資格を有していないと介護現場で働くことができなくなってしまいます。
現在は経過措置期間ですので、この期間中に初任者研修や実務者研修を修了し、2024年度を迎えることをおすすめします。