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介護職員初任者研修を修了していなくても求人はある?【未資格者との3つの違い】

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介護現場で働く際に一番最初に取得するであろう資格が「介護職員初任者研修」です。
しかし初任者研修を修了するためには130時間のカリキュラムを受講しなくてはならず、すぐに介護現場で働くことができません。
しかし初任者研修を修了していなくても介護現場で働くことは可能です。

この記事では初任者研修修了の有無によって、求人にどのような違いがあるのかについてご紹介していきたいと思います。

介護職員初任者研修修了の有無による相違点

仕事内容の違い

介護現場での仕事内容は大きく分けて「身体介護」「生活援助」の2つに分けることができます。
身体介護の業務を行うためには、介護の専門知識と技術が必要となり、初任者研修修了をはじめとした介護職に関する資格がないと行うことができません。

未資格では身体介護を行うことができないため、介護補助や介護補助業務がメインの仕事内容になります。

身体介護について

厚労省によって身体介護とは以下のような業務のことを指すとされています。

  1. 利用者の身体に直接接触して行う介助サービス (そのために必要となる準備、後かたづけ等の一連の行為を含む)
  2. 利用者のADL・IADL・QOLや意欲の向上のために利用者と 共に行う自立支援・重度化防止のためのサービス
  3. その他専門的知識・技術(介護を要する状態となった要因である心身の障害や疾病等に伴って必要となる特段の専門的配慮)をもって行う利用者の日常生活上・社会生活上のためのサービス。(仮に、介護等を要する 状態が解消されたならば不要※となる行為であるということができる。)

    ※ 例えば入浴や整容などの行為そのものは、たとえ介護を要する状態等が解消されても日常生活上必要な行為であるが、要介護状態が 解消された場合、これらを「介助」する行為は不要となる。同様に、 「特段の専門的配慮をもって行う調理」についても、調理そのものは必要な行為であるが、この場合も要介護状態が解消されたなら ば、流動食等の「特段の専門的配慮」は不要となる。

生活援助について

また、生活援助は以下のように内容を指すとされています。

生活援助とは、身体介護以外の訪問介護であって、掃除、洗濯、調理などの日常生活の援助(そのために必要な一連の行為を含む)であり、利用者が単身、家族が障害・疾病などのため、本人や家族が家事を行うことが困難な場合に行われるものをいう。

(生活援助は、本人 の代行的なサービスとして位置づけることができ、仮に、介護等を要 する状態が解消されたとしたならば、本人が自身で行うことが基本となる行為であるということができる。)

※ 次のような行為は生活援助の内容に含まれないものであるので留意すること。

1 商品の販売・農作業等生業の援助的な行為
2 直接、本人の日常生活の援助に属しないと判断される行為

求人数の違い

初任者研修修了の有無で求人数の違いがあるのかを調べてみました。
求人検索では訪問介護と介護施設の2種類としています。

訪問介護:未資格者150件 初任者研修修了者700件
介護施設:未資格者2,100件 初任者研修修了者4,700件

未資格でも介護現場の求人はありますが、その数は限られており、初任者研修修了者の1/6以下程度の数です。
求人数から見ても、介護現場で働く際には初任者研修を修了していた方が有利であると言えます。

給与の違い

未資格でも介護現場で働くことはできますが、給与面でも差があります。

訪問介護:未資格者 月給210,000円 初任者研修修了者 月給220,000~240,000円
介護施設:未資格者 月給200,000円 初任者研修修了者 月給210,000~250,000円

また、実務者研修や介護福祉士の資格を取得している場合には、これ以上の差があります。

介護職員実務者研修について

介護職員実務者研修はホームヘルパー1級に該当する資格です。
研究期間は2~6ヶ月、受講時間は約450時間と定められています。

初任者研修を受講していなくても取得することができるため、実務者研修から取得するのがおすすめです。
また、受験資格は特にないため、学歴・年齢関係なく取得することができます。

実務者研修は介護福祉士の受験には必要な資格になるため、できるだけ早いうちに取得しておきたい資格です。

介護福祉士について

介護職の資格で唯一の国家資格が介護福祉士です。
国家試験ですが、合格率は70%代であり、そこまで難易度の高い試験ではありません。

将来的には介護福祉士の資格を取得したい、と考えて介護職に就く方もいるかと思います。
介護福祉士の資格を取得するためには3つの方法があります。

実務経験ルート

介護現場で3年以上かつ540日以上働き、介護職員実務者研修を修了している場合に介護福祉士の受験資格を得ることができます。
勤務形態に規定はないので、アルバイトや派遣などで働いていた日数もカウントされます。
すでに社会人として働いている方はこの方法が一般的です。

また、養成施設などには通わずにお給料をもらいながら、受験資格を得ることができるので、リーズナブルです。

福祉系高校ルート

高校の中には福祉科や介護福祉コースなどを科がある高校もあります。
このような高校を卒業することで介護福祉士国家試験の受験資格を得ることができます。

また、福祉系特例高校では高校卒業後に実務経験を9ヶ月以上積むことで受験資格を得ることができます。

養成施設ルート

養成施設とは厚労省が認可している大学や短大、専門学校を指します。

普通科高校の卒業生は2年以上、福祉系大学、社会福祉士養成施設、保育士養成施設のいずれかの卒業生は1年以上通えば介護福祉士国家試験の受験資格を得ることができるので、最短で介護福祉士になれるルートとなっています。

介護職員実務者研修修了者と介護福祉士の違い

実務者研修修了者と介護福祉士の仕事の違いは、介護施設の責任者として業務ができるかがあります。
多くの介護施設の施設長は介護福祉士などの資格を有している方が職務を行っていることが多いです。

また、介護福祉士の資格を有している場合には、他のスタッフに介護・介助方法の指導を行うここともあります。
給与面でも異なります。

初任者研修修了者と介護福祉士は4万円程度、実務者研修修了者と介護福祉士は2~3万円程度異なる場合があります。
当然勤務する施設によって多少のばらつきはありますが、介護福祉士は国家資格という強みがあります。

目指せるのであれば、介護福祉士の資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。

まとめ

この記事では初任者研修修了の有無によって、求人にどのような違いがあるのかについてご紹介しました。
初任者研修の受講費用はひと月の給料で賄うことができる可能性が大きいです。
未資格でも介護現場で働くことができますが、受講することができるのであれば初任者研修を受講してから働くことをおすすめします。

参考資料
「訪問介護におけるサービス行為ごとの区分等について」の一部改正について

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