脳トレ・塗り絵

80歳からでも遅くない!脳トレを活用して成長できる

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加齢に伴い脳の機能は低下していき、ものを忘れやすくなったり、物事に集中できなくなったりします。
このように加齢に伴う認知機能の低下として一般的に知られているのは認知症かと思います。

しかし、脳トレを行うことで80歳からでも脳の機能を成長させることができます。
この記事では80歳からでも脳トレを活用することで成長できる方法などについてご紹介していきます。

80歳でも脳トレ次第

80歳くらいになると物忘れが多く、いずれ認知症になってしまうのではないか…?
そんなふうに思う方が多いかと思います。

何もしなければ衰える一方ですが、脳は使っていれば使うだけ成長することが知られています。
使えば使うだけ成長することを、神経生理学では「脳の可塑性」と呼んでいます。

具体的には「発達段階の神経系が環境に応じて最適の処理システムを作り上げるために、よく使われるニューロンの回路の処理効率を高め、使われない回路の効率を下げるという現象」です。

そのため、普段の生活の中では使わないような思考を伴う脳トレを行うことで、認知機能の維持・向上効果が期待できます。
また、習慣的な運動は高齢者にとって身体機能のみではなく、認知機能の維持・改善に有効であることが報告されています。

以下、認知機能を高めるのにおすすめの脳トレです。

体を使ったおすすめの脳トレ

右手と左手、右足と左足など、左右非対称に動かすことも脳トレになります。
例えば指折り体操。

両手をグーにして、右手は小指を伸ばして、左手は親指を伸ばします。「ハイ」の言葉で左右の指を入れ替えます。
右手:小指・左手:親指→ハイ→右手:親指・左手:小指
「もしもしかめよ」などの童謡に合わせてやることで、難易度調整なども簡単に行うことができるので、おすすめです。

また、別の指折り体操もあります。
両手をパーにして親指から順番に指を曲げて、小指から伸ばしていきます
このときに、右手と左手をずらすことで、難易度をあげることができます。

右手:パー・左手:親指を曲げる→右手:親指を曲げる・左手:人差し指を曲げる
左右の指が一本ずつ遅れて折れていけば、成功です。

やってみると意外と難しいので、介護職員の方も一緒に楽しむことができます。

左右の手足を使った体操

左右の手足を一緒に使った体操もあります。
右手と右足を前に出す。
左手と左足を前に出す。(同時に右手と右足は後ろに戻します。)
これを繰り返す。

慣れてきたら左右をバラバラに行っていきましょう。
右手と左足を前に出す。
左手と右足を前に出す。(同時に右手と左足を後に戻す。)
これを繰り返していきます。

指折り体操と同様に、スピードをあげることで難易度を調整することができます。

計算ドリルや漢字ドリル

脳トレとして一番簡単に行うことができるのが、計算や漢字のドリルです。
利用者さんの脳機能に合わせて難易度を調整することも簡単に行うことができます。

一人でできる方には自主トレーニングの一環として、ドリルをコピーしたものをお渡しするのもおすすめです。
しかしドリル系のデメリットとしてはマンネリ化してしまうこと。

自主トレでお渡ししている方がたくさんいる場合には、利用者さんみんなで行う脳トレのときにはドリル系以外の脳トレを行うことをおすすめします。

認知症予防には運動もおすすめ

認知症の予防には運動もおすすめです。
運動と認知機能は多くの研究者が興味のある分野であり、かなりの数報告されています。

例えば、ウォーキングを行うよりも高強度の運動を週3回以上行っていた高齢者は、運動習慣のない高齢者に比べて認知症の発症リスクが低かったとされています。

また、認知機能障害のない方を対象にした研究では、週3回以上の運動習慣を持っている高齢者は、週3回未満の高齢者に比べて認知症になるリスクが減少することなども報告されています。

運動の内容としては、単一の運動を行うよりも、ウォーキングや水泳、サイクリング、ゴルフなど複数の運動を組み合わせて行う方が認知症の予防効果が高いことも明らかにされています。

ぜひ、運動を取り入れた脳トレも行ってみてください。

認知症の進行予防にも運動がおすすめ

認知症の方に対する運動の効果も多く報告されています。
認知機能の改善、情動・精神機能の安定や改善、日常生活動作の改善などを目的に運動を行っていきます。

認知症予防ほどの数が報告されているわけではありませんが、現段階では進行予防にも運動を取り入れるべきとされています。

コグニサイズ

運動を取り入れた脳トレとしてはコグニサイズがおすすめです。
やり方は簡単です。

1. 運動課題は全身を使った中強度程度の負荷で、脈拍数が上昇するもの
2. 運動と同時に行う認知課題は、運動の方法や認知課題をたまに間違えて答えてしまう程度の問題

上記の2種類を満たすものを行えばOKです。

中強度程度の負荷というものは、軽く息が弾む程度の運動を指します。
認知症は加齢に伴って誰しもが生じうる可能性を秘めています。

コグニサイズは認知症の発症を遅らせることを目的として作られており、完全に認知症を予防することは難しいです。
しかし脳の活動を活発にする機会を作るということは、脳にとって良い影響を与えます。

そのため、認知課題がノーミスでクリアできてしまうと、脳に対しては負荷がかかっていない(=簡単すぎる問題)といえますので、難易度調整を上手に行っていきましょう。
コグニサイズの詳細を確認

まとめ

この記事では80歳からでも脳トレを活用することで成長できる方法などについてご紹介しました。
脳は使えば使うだけ刺激されて成長していきます。

また、習慣的な運動も脳機能の維持・改善には効果的であることから、脳トレだけではなく、手軽に行える体操なども取り入れていくことで、更なる効果が期待できます。

介護施設で行う脳トレやレクもマンネリ化してしまわないように、レパートリーを増やしておくことが大切だと思います。
今回紹介した脳トレ以外にもレクシルには様々な脳トレや体操が紹介されていますので、ぜひそちらも参考にしてみてください。
レクシル公式ページへ

参考文献
井出孝次郎.高齢者の身体運動と脳の可塑性.シンポジウム10:運動で高めるメンタルヘルスと脳機能.
Laurin D, Verreault R, Lindsay J, MacPherson K, Rockwood K.: Physical activity and risk of cognitive impairment and dementia in elderly persons. Arch Neurol. 2001; 58(3): 498-504.
Larson EB, Wang L, Bowen JD, et al.: Exercise is associated with reduced risk for incident dementia among persons 65 years of age and older. Ann Intern Med. 2006; 144(2): 73-81.
Podewils LJ, Guallar E, Kuller LH, et al.: Physical activity, APOE genotype, and dementia risk: findings from the Cardiovascular Health Cognition Study. Am J Epidemiol. 2005; 161(7): 639-651.

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