介護施設ではレクの一環で脳トレを取り入れている施設が多いかと思います。
脳トレに関連する書籍などはたくさん出版されていますが、あまりお金をかけられないのが実際かと思います。
そこでこの記事では無料で脳トレを行う方法をいくつかご紹介していきたいと思います。
ぜひ明日からの業務の参考にしてみてください。
無料でできる脳トレ
脳トレは認知症予防効果があり、高齢者の方からも人気です。
今回は、
- 歌を使った脳トレ
- 身体を使った脳トレ
- 答えを考える脳トレ
の3種類をご紹介していきたいと思います。
歌を使った脳トレ
音楽を使ったリハビリテーション(音楽療法)があるほど、音楽や歌は身体面・精神面にいい影響を与えます。
音楽療法というのは、音楽がもつ特性を活用し、健康の維持や心身障害の機能回復、QOL(生活の質)の向上などを目的に行われています。
音楽療法の効果には不安や痛みの軽減、精神的な安定、自発性・活動性の促進、脳の活性化、身体の運動性向上などさまざまな効果を有しています。
歌を使った脳トレは手軽に行うことができるので、ぜひ参考にしてみてください。
イントロドン
高齢者の方が馴染みのある音楽でイントロドンを行うと盛り上がります。
3〜4人程度のチーム制にして行うことで、他者との交流する機会が生まれます。
また音楽を使ったレクは、音楽を使わないレクよりも多くのメリットがあります。
ぜひ音楽を使うことができる介護施設ではイントロドンを試してみましょう。
字ぬき歌
あらかじめホワイトボードに歌詞を書いておきます。
歌詞の中に出てくる特定の文字は歌わずに手を叩く、というレクです。
例えば、「むすんでひらいて」の場合には「て」の文字は歌わずに、手を叩きます。
「むーすーんーでーひーらーいー(パン)」となります。
やってみると意外と難しいので、ぜひ取り入れてみてください。
身体を使った脳トレ
身体を使った脳トレとしてはコグニサイズがおすすめです。
やり方は簡単です。
1. 運動課題は全身を使った中強度程度の負荷で、脈拍数が上昇するもの
2. 運動と同時に行う認知課題は、運動の方法や認知課題をたまに間違えて答えてしまう程度の問題
上記の2種類を満たすものを行えばOKです。
中強度程度の負荷というものは、軽く息が弾む程度の運動を指します。
認知症は加齢に伴って誰しもが生じうる可能性を秘めています。
コグニサイズは認知症の発症を遅らせることを目的として作られており、完全に認知症を予防することは難しいです。
しかし脳の活動を活発にする機会を作るということは、脳にとって良い影響を与えます。
そのため、認知課題がノーミスでクリアできてしまうと、脳に対しては負荷がかかっていない(=簡単すぎる問題)といえますので、難易度調整を上手に行っていきましょう。
→コグニサイズの詳細を確認
答えを考える脳トレ
普段考えないことを考えるだけでも、脳の活性化が期待できます。
クイズ・なぞなぞ
クイズやなぞなぞの答えを考えている時に脳は活性化されます。
また答えが分からずとも、解説をしてもらって納得することができれば、その時点で脳の活性化は生じるため、クイズやなぞなぞを取り入れることもおすすめです。
さまざまな脳トレを紹介している「レクシル」にもクイズは紹介されています。
例えば四字熟語並べ替えクイズ。
介護施設でYouTubeを流すことができる場合には、流しながら、
流すことが難しい場合には、介護職員がyoutubeを一度観てからそれをもとにホワイトボードに問題を書いたりするといいでしょう。
四字熟語は誰もが知っているものですが、クイズになると結構難しくなるので脳トレにはうってつけです。
また以下のようなプリントを用意できると手軽に行うことができます。
規則性を見つける計算問題
例えば、「2・4・?・8・10」と並んでいた時、「2」ずつ増える、という規則があります。
また、「1・2・3・5・8・13・?・34」となっている場合には、ひとつ前と足し算しているという規則になります。
こういった規則性を見つけることで問題が解けるような計算問題もおすすめです。
例に出したのは足し算がメインでしたが、引き算や割り算などのパターンでも問題を作ることで、さまざまなバリエーションを楽しむことができます。
単純な計算問題
単純な計算問題も脳トレには有効です。
ただ計算を行うよりも計算時間を測定して、他の利用者さんと競争すると楽しみながら行うことができます。
認知症予防には運動もおすすめ
認知症の予防には運動もおすすめです。
運動と認知機能は多くの研究者が興味のある分野であり、かなりの数報告されています。
例えば、ウォーキングを行うよりも高強度の運動を週3回以上行っていた高齢者は、運動習慣のない高齢者に比べて認知症の発症リスクが低かったとされています。
また、認知機能障害のない方を対象にした研究では、週3回以上の運動習慣を持っている高齢者は、週3回未満の高齢者に比べて認知症になるリスクが減少することなども報告されています。
運動の内容としては、単一の運動を行うよりも、ウォーキングや水泳、サイクリング、ゴルフなど複数の運動を組み合わせて行う方が認知症の予防効果が高いことも明らかにされています。
ぜひ、運動を取り入れたレクリエーションも行ってみてください。
認知症の進行予防にも運動がおすすめ
認知症の方に対する運動の効果も多く報告されています。
認知機能の改善、情動・精神機能の安定や改善、日常生活動作の改善などを目的に運動を行っていきます。
認知症予防ほどの数が報告されているわけではありませんが、現段階では進行予防にも運動を取り入れるべきとされています。
まとめ
この記事では無料で脳トレを行う方法をいくつかご紹介しました。
認知症予防には脳トレも運動もどちらも効果的です。
運動を行う場合には週2-3回以上の運動を行うことで、認知症予防の効果がある可能性が考えられます。
厚労省が出している資料では、高齢者は下肢や体幹の筋力トレーニングを週2回程度、レクリエーション活動や軽スポーツを週3回程度行うことを勧めています。
介護職員の方は一度目を通しておくと、認知症予防に関する運動の効果について学ぶことができます。
また、国立長寿医療研究センターの「認知症予防マニュアル」に目を通すのもおすすめです。
日本語で書かれているので、運動が認知症予防などにもたらす効果などについて、より理解を深めることができます。
今回ご紹介したプリントは「レクシル」に掲載されています。
レクシルのは今回ご紹介した脳トレ以外にも体操なども掲載されています。
ぜひレクシルも活用してみてください。
→レクシル公式ページへ