レク・体操

介護施設で簡単に行える食事レク

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介護施設でのレクはバリエーション多く行われていますが、その中でも人気なのが「食事レク」です。
食事レクでは、利用者さんを中心に介護職員と一緒におやつなどを中心とした食事を作っていきます。
食事を作る、という作業は、多くの工程を考え、何を優先して行うべきなのかを考える必要があるため、脳の活性化にも期待できます。
この記事では介護施設で簡単に行うことができる食事レクにおすすめのメニューや食事レクの目的をご紹介していきます。

介護施設で簡単に行える食事レク

食事レクで作るものの多くが3時のおやつかと思います。
材料はその季節にちなんだものを使っている施設も多いですよね。
また旬の野菜や果物を使って作るメニューもおすすめです。
ここからは3時のおやつにぴったりなメニューを紹介していきます。

簡単3色団子

春のお花見には欠かせない3色団子。
しかし、もち米を使ってしまうと誤嚥の可能性も高く、介護施設などでは出る機会が少ないかと思います。
そこでおすすめしたいのが、お米を使った3色団子。
作り方は簡単。

お米を一口大の大きさに丸め、3種類のふりかけをかけるだけ。
これだけで、3色団子に見立てたおにぎりの完成です。
もしもち米を使って3色団子を作りたい場合には、やや小さめに作ることで、誤嚥の可能性を下げることができますよ。

桜餅

3月には桜餅を作るのもおすすめです。
市販されている桜餅は大ききため、それよりも小さいものを作ることができ、誤嚥のリスクを下げることもできます。
桜餅は作る工程が多いため、多くの利用者さんが一緒になって作ることができます。
皮を焼くときにはホットプレートなどを使うため、利用者さんの火傷には気をつけておきましょう。

一口ホットケーキ

介護施設にたこ焼き器がある場合におすすめなのが、一口ホットケーキ。
従来通りの分量でホットケーキミックスを混ぜていき、焼くときにたこ焼き器を使います。
たこ焼き器を使うことで、一口大のホットケーキを作ることができるため、利用者さんがたくさんいる介護施設などではおすすめのおやつです。
またたこ焼き器を使うことで、利用者さん同士の会話も生まれ、脳への刺激を期待できます。
旬の果物がある時には、果物を潰して、ホットケーキミックスと一緒に混ぜることで、栄養価満点の果物も一緒に摂取することができます。

食事レクの目的

食事レクはただ作ったものを食べることだけが目的ではありません。
調理工程には多くの項目やいろんな動作を必要とするため、さまざまな効果があります。

手先の運動

まず一つ目が手先の運動です。
調理では手先の細かい動きが要求されます。手をたくさん使うことで前頭前野をはじめとするさまざまな脳領域の活性化が期待することができます。

マルチタスク

また調理中は基本的にマルチタスクで作業を行っていきます。
加齢や何かしらの障害によって、マルチタスクが苦手になる方が多くいます。
しかし、歩きながら話をするや歩きながら何かを考えるなど、生活の中でマルチタスクは必須となってきます。
このようにマルチタスクを練習するのに、調理はもってこいです。
さらに何から行うべきかなど、優先順位をつけるために多くのことも考える必要が出てきます。
施設に入所していると、本来は行わないことを行うため、より一層脳の活性化が期待できます。

他者とのコミュニケーションが生まれる

人は何か手を動かしているときに、他者との会話が生まれると言われています。
そのため複数の利用者さんで調理を行うことで、自然と会話が生まれ、他者とのコミュニケーションを図ることができます。
介護施設などでは、他者とコミュニケーションをとる機会がグッと減ってしまうため、食事レクなどはコミュニケーションを生む場としてもおすすめです。

QOLの向上

食事レクでは利用者さんが作ったおやつを、他の利用者さんが食べる機会でもあります。
この時に「美味しい!」と言ってもらえると、作った本人には喜びが生まれます。
このように他者が喜んでくれることで、「もう一度作ってみようかな?」「自宅に帰れたら料理してみようかな?」と次への行動につなげることができる可能性があります。

食事レクは補食としても重要

年齢を重ねるにつれて、一度で食べられる量が減ってきてしまいます。
そのような場合には、おやつなどの補食で1日に必要なエネルギー・栄養を補う必要が出てきます。
特に施設に入所している場合などには、リハビリテーションを行っていることが多いです。
運動をたくさんしても、食事の摂取量が不足していると、運動をすればするだけ痩せていってしまう、なんて状況にもなってしまいます。
そのため、補食によるエネルギーの補充は大切になってきます。

また、補食としての意味合いも兼ねているおやつですが、高齢者の方々からは口当たりの良いものや水分量の多いものが人気です。
加齢に伴い、唾液の分泌が低下してきてしまうため、パサつくものや水分を多く持っていかれてしまうおやつは不人気です。
ゼリーやプリン、水まんじゅうなどの口当たりの良いサッパリしたものを提供してみましょう。

食事レクの前に行いたい体操

食事レクの前には「パタカラ体操」を行いましょう。
パタカラ体操のやり方は簡単です。

大袈裟に口を動かすように、
パ・タ・カ・ラ
というだけです。

慣れてきたらなるべく早く繰り返すなど、
口周りの筋肉をたくさん動かすようにしましょう。
パタカラ体操では口をたくさん動かすため、口腔機能の維持・向上効果が期待できます。
また、唾液の分泌が増える・誤嚥を防ぐなどといった効果も期待できますでの、ぜひ食事の前にはパタカラ体操を取り入れてみてください。

まとめ

この記事では介護施設で簡単に行うことができる食事レクにおすすめのメニューや食事レクの目的をご紹介しました。
いくつになっても食事は楽しみの一つです。
食べることだけではなく、調理する楽しさを介護施設で経験することができるのは、脳の活性化にとって大切なことです。
簡単なメニューからで良いので、ぜひ職場でも取り入れてみてください。
利用者さんたちの楽しそうな笑顔が生まれますよ。

また食事を楽しむためには口腔機能の維持・向上も大切です。
併せてパタカラ体操も利用者さんと試してみてくださいね。

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