レク・体操

車椅子の方におすすめなレク9選【介護職員必見】

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年齢を重ねたり、何かしらの障害を負うことで車椅子を利用される方が多くいます。
介護施設などでのレクでは、車椅子の方や椅子に座っている方、立って参加される方などさまざまな方がいます。
車椅子の方も車椅子じゃない方も楽しめるレクを考えるのはなかなか大変なことではないでしょうか?

この記事では、車椅子の方でも楽しむことができるレクを紹介していきます。
ぜひ明日からのレクに活用してみてください。

車椅子の方におすすめなレク

車椅子の座った状態でも安全に安心して行えるレクはたくさんあります。
特に脳トレ系のレクは車椅子に座った状態でも安全に行うことができますよ。

神経衰弱

脳トレ系レクの代表とも言える神経衰弱。
利用者さんが一人のときにも、介護職員がいれば行うことができます。
神経衰弱は使うトランプの枚数を変えることで、難易度を調整することもできるため、多くの方に楽しんでもらえるレクです。
また、机を挟んで行うため、盛り上がったときに車椅子の前からズリ落ちそうになることもありません。

私が勤務している病院でも、高次脳機能障害を有している患者さんで、脳トレ系のリハビリテーションが必要になった場合には、神経衰弱などを用いて理学療法や作業療法などを行う機会があります。
トランプさえあれば、いつでもどこでも手軽に行うことができるレクの一つです。

カラオケ

カラオケは車椅子の方でも存分に楽しむことができるレクです。

音楽療法というカラオケなどの音楽を使ったリハビリテーションもあります。
音楽療法の効果としては、不安や痛みの軽減、精神的な安定、自発性・活動性の促進、脳の活性化、身体の運動性向上などさまざまな効果が期待されています。

これを読んでいるあなたも、音楽に救われたことがあるのではないでしょうか?
また音楽を聴くことで気持ちが落ち着き、気分が晴れることを経験したことがあるのではないでしょうか?
そのような音楽の特性を活かしているのが、音楽療法になっています。
カラオケを歌うことで、認知症予防や心肺機能の維持改善なども期待できますので、ぜひレクでカラオケを行ってみてください。

イントロゲーム

音楽を使ったレクではイントロ当てもおすすめです。
昔懐かしの曲を流して、なんの曲なのか利用者さんに考えてもらいましょう。

このように何かを思い出す機会などを作ることで、脳の活性化が期待できます。
施設に入所していると、何かを思い出す機会というものが減ってしまいます。
そのため、そのような機会を作ることは大切になってきますし、回想法というリハビリテーションの一つにもなります。

ボッチャ

障害者スポーツの一つである、ボッチャ。
ボッチャはボールを投げて得点を競う競技なので、車椅子に座ったままでも安全に行うことができます。

ボッチャの道具は結構な値段がするため、お手玉で代用します。
得点票は床に置いておき、そこから3〜5m程度離れて、得点表に向かってお手玉を投げていきましょう。

中心に近ければ近いほど点数を高くする、
もっとも遠いところを高得点にする、などアレンジ方法はさまざまです。

もしお手玉がたくさんない場合には、新聞紙を丸めてガムテープで補強したものを使いましょう。
新聞紙がある分だけボールを作れますし、手軽に作ることができるのでおすすめです。

ボッチャのアレンジ

元々ボッチャは手で投げて行う競技ですが、少し応用して足で蹴るのもおすすめです。
足で行う場合には、お手玉ではなく、新聞紙で丸めたボールを使うのがおすすめ。

床に点数票を置いておき、2〜3m離れた位置からボールを蹴ります。
手で投げて行うボッチャに比べると難易度が高くなりますが、蹴る場合には得点を1.1倍〜1.2倍などとアレンジすると盛り上がること間違いなしです。

ボウリング

同じ大きさのペットボトルを12本用意して、中に少量の水を入れておきます。
このペットボトルをボウリングのピンに見立てて、ボールを転がしてピンを倒します。
ペットボトルが軽すぎても重すぎても難しいので、水の量はやりながら調整していきましょう。
あとは実際のボウリングと同じルールで、ピンを倒した数を競っていきます。

卓球

意外と卓球も車椅子に座った状態でもできるレクなんです。
中心のネットは本などで代用しましょう。
卓球の玉さえあれば、ラケットはなんでも代用することができます。
利用者さん同士で行えば、盛り上がること間違いなしです。
もし患者さんの転倒・転落が不安である場合には、介護職員がそばについていれば安全に行うことができます。

塗り絵

塗り絵は座って行うレクの代表ですね。
塗り絵の効果は、

  • 脳の活性化
  • 集中力up
  • ストレス発散

などが挙げられます。

塗り絵を行う際には、どこからどのように塗り始めるか、何色を使うか、色の濃淡はどうするか、など多くのことを考える必要があり、脳が活性化されます。
さらに手を使う細かい作業でもあるため、より一層脳の活性化が期待できます。
手を使う細かい作業では、脳の前頭前野という部位の活性化が期待されています。
前頭前野は判断や注意・集中力、運動コントロールなどの機能を担っており、このような機能の維持向上を図ることができます。

囲碁や将棋などのテーブルゲーム

利用者さんの中で囲碁や将棋がお好き方もいます。
そういった方がいる場合には、その方同士で囲碁や将棋を行ってもらうのもいいでしょう。
レクは自分自身が興味・関心のあるものを行う方が、脳の活性化には有効であると言われています。

私が働いていた老健では介護職員も混ざって、麻雀をやっている時期がありました。
利用者さんの好みを見つけて、レクをすすめてみてください。

まとめ

この記事では、車椅子の方でも楽しむことができるレクを紹介しました。
車椅子に座った状態で、体を大きく動かす体操などを行うと、前のめりになったときに車椅子から落ちてしまったり、ずり落ちてしまう可能性があります。
この記事でご紹介したレクでは、そのような可能性が少ないレクを取り上げていますので、ぜひ明日からのレクで活用してみてください。

また、転倒・転落の可能性が低いとはいえ、全くのゼロではないので、介護職員は利用者さんのそばにいることをおすすめします。

参考文献
田中宏明ら.「思い出塗り絵」が軽度認知症患者の認知機能,心理機能,及び日常生活面に与える効果. Journal of rehabilitation and health sciences.2009;7:39-42.

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