自宅でも、地域の集まりでも簡単にできる体操を紹介します。
体の虚弱を予防し、健康な体づくりに活用してみてください。
【目次】
1.衰えてる?セルフチェックリスト
2.床に寝て行う体操
3.床に座って行う体操
4.椅子に座って行う体操
5.立って行う体操
6.口や顔の体操
7.まとめ
衰えてる?セルフチェックしてみよう
簡単にできるのでご自分で、または、ご家族が質問してチェックしてみましょう。
体のフレイルチェック
●歩ける距離が短くなってきた
●つまずきやすくなった
●この1年ほどの間に転んだころがある
●足腰に自信が無く、外出の機会が減った
口腔のフレイル(オーラルフレイル)チェック
質問項目 | はい | いいえ |
半年前と比べて、硬いものが食べにくくなった | 2点 | |
お茶や汁物でむせることがある | 2点 | |
入れ歯を入れている | 2点 | |
口の渇きが気になる | 1点 | |
半年前と比べて、外出が少なくなった | 1点 | |
さきイカ・沢庵くらいの堅さの食べ物を噛むことができる | 1点 | |
1日に2回以上、歯を磨く | 1点 | |
1年に1回以上、歯医者に行く | 1点 |
上記のチェックで該当した場合は、筋力が弱まり、体や口腔器官に虚弱(フレイル)の状態にさしかかっているのかもしれません。
体操を日々の生活に取り入れてみましょう。
また、チェックに該当しなかった場合も、元気なうちから体を動かすことがフレイル予防になるのでお薦めです。
運動が苦手な場合も、まずはストレッチだけでも気軽にはじめてみましょう。
体操やストレッチをするときの注意点
・呼吸を止めずに行いましょう
・急に動かすと痛みや故障の原因になります。ゆっくり動かしましょう
・運動前、運動中、運動後にこまめに水分補給をしましょう
・体調や血圧など、心配な場合は医師の指示に従いましょう
・途中、痛みや具合が悪くなった場合は中止しましょう
1.床に寝て行う体操・ストレッチ
ストレッチ
【太もものストレッチ】
①両足の膝をたてます
②膝をまげたまま、膝を外に倒します
③両足の裏を合わせて、股を開き内側の太ももをストレッチします
【横腹の筋肉ストレッチ】
①両ひざを立てます
②両ひざを片方に倒します
③体を膝と反対側に倒します
④同じ方に顔も向けます
【肩と背中のストレッチ】
①両腕をぐーっと真っすぐ頭の上に伸ばします
②両脇が伸びで気持ちの良いところで止めます
運動
【お尻と太もも裏の筋力アップ】
①両ひざを立てて、お尻と持ち上げます
②お尻にキュッと力を入れましょう
③のけぞると腰をいためるので気を付けましょう
【お腹の筋力アップ】
①両ひざを立て、仰向けになります
②肩甲骨が床から軽く離れるくらい背中を少しだけ持ち上げ、おへそを見ます
③そのまま10秒キープ
④ゆっくり背中をおろします
2.床に座って行う体操・ストレッチ
ストレッチ
【股関節のストレッチ】
①あぐらをかきます
②上の足を、おへそに引き寄せるように持ち上げます
③ゆっくりと足全体も持ち上げます
④急に持ち上げたり、無理に上げると後ろに倒れたり痛みがでるので気を付けましょう
【太もも裏のストレッチ】
①片足を伸ばして座ります
②つま先に触ることよりも、お腹と太ももを近づけるように、太ももの裏を伸ばします
【足首のストレッチ】
①足を伸ばして座ります
②足の裏を、壁にピタリとつけます
③そのまま10~15秒維持します
④きつい場合は、膝を曲げても構いません
運動
【骨盤とお腹の筋力アップ】
①足を伸ばして座ります
②お尻を左右交互に前にだし、お尻歩きで前に進みます
③同じように、後ろに下がります
【足の筋力アップ】
①足を延ばして座ります
②右側の足を外側に開きます
③左足を、同じ方向に動かしたら、中央に戻します
④左足を外側に開きます
⑤右足を、同じ方向に動かしたら、中央に戻します
②~⑤を繰り返します
3.椅子に座って行う体操・ストレッチ
・頭痛や肩こりの予防にも役立つ、肩の運動を紹介します
・肩や背中に痛みがある場合は、無理をしないようにするか、中止しましょう
ストレッチ
【肩と背中のストレッチ】
①指を組んで、腕を前にまっすぐ伸ばします
②そのまま10~20秒、背中の伸びを感じます
③痛みの出ない範囲で、腕をまっすぐ上に伸ばします
④そのまま10~20秒、脇腹、背中、肩の伸びを感じます
【背中のストレッチ】
①手を交差して、両肩に触れます
②両肩にふれたまま、ゆっくりと肘を上げます
③ゆっくり下ろし、ゆっくり上げるを繰り返します
【両脇のストレッチ】
①左を向きます
②椅子の背もたれに手を触れて、ゆっくり脇腹が伸びるのを感じます
③正面に戻ります
④右も同じように行います
運動
【指の運動】
①両足を床につけます
②足の指をぎゅーっと曲げます
③足の指を思いっきり開きます
②~③を繰り返します
足がつってしまう場合は、ゆっくりと行いましょう
【太もも、お尻の筋力アップ】
①両指を組んで、腕を伸ばします
②体を少し、前に傾けてゆっくり立ち上がります
③腕を伸ばし、つかまらずに立ち上がることで下肢筋力のアップを図ります
④きつい場合は、手を膝にあててゆっくり立ち上がるようにしましょう
⑤グラグラとバランスが崩れそうな場合は、つかまりながら立つなど無理をしないようにしましょう
4.立って行う体操・ストレッチ
膝に痛みがある場合は、控えましょう
【ふともも、お尻の筋力アップ】
①背中を真っすぐにしたまま、膝が少し曲がる程度にゆっくり曲げます(スクワットではありません)
②足は軽く開いて構いません
③曲げた状態で5~10秒、その姿勢を維持します
④ゆっくり立ち上がります
【ふくらはぎの筋力アップ】
①壁や椅子に両手をつきます
②そのまま、両足のかかとをゆっくり上げます
③ゆっくり下ろします
④高くあげようと無理をしないでください
5.口・顔の体操
【舌を出す運動】
①舌を真っすぐ前に出します
②できるだけ、めいいっぱい出すようにしましょう
③そのまま5秒キープして、戻します
【舌を左右に動かす運動】
①舌を左の口角、右の口角にしっかり接触するように移動させます
②ゆっくり行いましょう
【舌の回旋運動】
①舌をぐるりと回して、唇を一周舐めます
②反対周りも同様にして行います
【唇・頬の運動】
①口に空気を含んで、頬をふくらまします
②唇は、空気が漏れないようにしっかり閉じます
③そのまま5から10秒キープします
④唇を閉じている間も、鼻で呼吸は続けましょう
【頬や顎のマッサージ】
唾液量アップの効果があります。
①奥歯あたりの頬をてのひらで、ゆっくり円を描くようにマッサージします
②顎の下、内側の柔らかい部分を親指の腹でゆっくりと押してマッサージします
③そのまま、顎の骨に沿って耳の下までマッサージします
まとめ
要介護だけではなく、今、元気な65歳以上の方も体や口腔器官の「フレイルチェック」をして、心当たりのある場合は体操を始めてみましょう。
ここまで紹介した体操以外でも、レクシルのホームページでは多彩なレクリエーションが紹介されています。是非、活用してみてください。
参考文献
「オーラルフレイル」公益社団法人日本歯科医師会 リーフレット