デイサービスでの入浴介助や訪問入浴介助は身体的疲労が大きく、かなり大変かと思います。
そこで、この記事ではそんなあなたにおすすめの疲労回復方法をお伝えしていきたいと思います。
きっとあなたにぴったりの疲労回復方法が見つかるはずです。
入浴介助が大変な理由
入浴介助が対象となるのは、自分自身で身体を洗えなかったり、浴室まで移動することができない方などが対象となります。
そのため、利用者さんの身体を洗ったり、浴室までの移動で介助をしたりなど、さまざまなチカラ仕事が必要となってきます。
また、浴室は滑りやすく、転倒してしまわないように細心の注意も払う必要があるため、精神的にも疲弊しやすくなります。
疲労の種類
疲労といっても疲労にはいくつかの種類があります。
- 精神的疲労: 人間関係などによる精神的ストレスが原因の心の疲れを示します。
無気力・無関心・神経過敏・不安感などの症状が特徴です。 - 神経的疲労: デスクワークなどの長時間集中によって視神経や脳が緊張した状態が続くことで現れる疲労です。
脳に疲労が蓄積されるため中枢性疲労とも呼ばれ、この状態が続くと認知機能や脳機能の低下を招くことになります。 - 肉体的疲労: 運動などの身体活動によるもので、激しい運動などの身体活動を続けたあとの筋肉痛・倦怠感・だるさなどの症状が代表的です。
筋肉疲労以外に眼精疲労も含まれるため、末梢疲労とも呼ばれます。
おすすめの疲労回復方法5選
ここからはおすすめの疲労回復方法についてご紹介をしていきます。
ストレッチ
ストレッチを行うことで全身の血流が良くなるため、疲労回復効果があります。
血流が良くなることで、体内に溜まっている疲労物質が体外に排泄されやすくなるため、疲労回復効果が期待されています。
入浴
入浴には温熱効果、浮力効果、静水圧効果と呼ばれる3つの効果があります。
温熱効果は末梢血管を拡張させ、血流を増加させます。
血流が増加することで、体内の老廃物質や疲労物質が取り除かれ、疲労回復・痛みの軽減などに繋がります。
また、浮力効果というのは、水の中では浮力が働くため、湯船に浸かっている時の体重は地上にいるときの体重の1/10程度になります。
そのため、地上にいるときには全身を支えるために活動している筋肉も、水の中に入ると活動しなくて済むため、全身の緊張がほぐれていきます。
3つ目の効果である静水圧効果は水の中に入ることで、水の圧力が全身にかかります。
この圧力が静水圧と呼ばれるものです。
静水圧がかかることで、血流が心臓に戻され、疲労物質が体外へ排泄され、疲労回復につながる効果が期待されています。
入浴後にストレッチを行うのも効果的です。
瞑想
瞑想は心身療法の一つとされています。
ストレス軽減や感情のコントロールに有効な精神統一法であり、心のバランスを整えるために効果的であるとされています。
瞑想の方法にはさまざまな種類があり、健康増進のみならず体の症状を緩和・回復に働きかけるものもあると研究が進んでいます。
米国政府調査によれば、不安感・痛み・うつ病・ストレス・不眠症・慢性疾患(心臓病、HIV/AIDS、がんなど)およびその治療と関連している可能性のある身体的または心理的症状など多くの疾患の対策に瞑想が活用されています。
適度な運動
疲労を回復する方法のひとつが適度な運動です。
身体活動と疲労の関係を検討した研究では、身体活動度が高いほど疲労が低く、身体活動度が低いほど疲労が高かったことが報告されています。
身体活動には、運動だけでなく、仕事や家事、買い物などの日常動作も含まれます。
過度な運動は疲れる要因となりますが、適度に体を動かすことで疲れの解消につながります。
その他の研究などから、運動したり、長時間座っている状態を中断したりすることで、疲労が軽減されたことがわかっています。
長時間のデスクワークを行っている人は、意識的に立ち上がる、軽く歩くなどがおすすめです。
食事
疲労回復に効果的な食事もあります。
疲労回復に効果を発揮する栄養素は、
- ビタミンB1
- 鉄
- イミダゾール
- クエン酸
などが挙げられます。
ビタミンB1
ビタミンB1は豚肉や大豆、うなぎ、レバーなどの食材に豊富に含まれています。
また、ビタミンB1の吸収を助ける働きを持つのがネギやニラに含まれているアリシンという栄養素です。
ビタミンB1を摂取する際には、ネギやニラなどと一緒に炒めて食べるのがおすすめです。
鉄
鉄が不足することでエネルギーを必要十分に供給することができなくなってしまいます。
特に汗とともに体外に排泄されるため、夏場の入浴介助などでは鉄分が不足しがちです。
鉄分を豊富に含む食材としてほうれん草が挙げられます。
植物性食品に含まれる鉄分は「非ヘム鉄」と呼ばれ、単体では吸収率が低いですが、ビタミンCやタンパク質と一緒に摂取することで、体内に吸収されやすくなります。
イミダゾール
イミダゾールは疲労回復に効果的であると言われています。
鶏肉の胸肉に多く含まれており、そのほかにカツオやマグロ、牛肉、豚肉などにも豊富に含まれています。
イミダゾールは水溶性の栄養素であるため、水に溶けやすいのが特徴です。
そのため、水分ごと摂取することができる、スープや水炊きなどの調理がおすすめです。
クエン酸
クエン酸は人のエネルギーを生み出す働きをしてくれています。
そのため、クエン酸が不足することで疲労を感じやすくなるため、摂取することで疲労回復効果が期待できます。
クエン酸は柑橘系の食材に豊富に含まれています。
レモンやみかん、キウイ、梅干しなどにも含まれています。
クエン酸は体外に排泄されやすいため、1日数回にわたり摂取する必要が出てきます。
レモンを入れた水や食事に梅干しを追加するなどで、摂取する頻度を増やすのがおすすめです。
まとめ
この記事ではおすすめの疲労回復方法について、いくつかご紹介をしました。
デイサービスなどでは、入浴介助を必要とする利用者さんは一人だけではありませんよね。
一人でも大変なのに、たくさんの利用者さんの入浴介助では心身ともに疲弊してしまいます。
そこで、今回ご紹介した疲労回復方法を試してみてください。
適度な運動やストレッチ、入浴などどれも手軽に行うことができる内容かと思います。
一度にたくさん行うのではなく、毎日少しずつ取り組むことができると、疲れにくい身体にもなっていきます。
ぜひ、取り入れてみてくださいね。
参考文献