老健などの介護施設で働いていて一番大変なのが食事介助と入浴介助かと思います。
食事介助と入浴介助を行う時間帯に勤務する人を増やす専門介護パートを採用している施設も多くあります。
この記事では介護施設での専門介護パートについて解説していきたいと思います。
専門介護パートとは
専門介護パートの主な業務内容は食事介助と入浴介助になります。
食事介助のみ、入浴介助のみもありますが、多くは食事・入浴介助どちらも行うことになります。
介護施設などでは介護職員一人で複数名の利用者さんを見ることがほとんどです。
しかし、食事・入浴介助ではスタッフ一名が利用者さん一名につきっきりになることが多く、その時間帯だけ人手が不足してしまいます。
そのため、人手不足を補うために専門介護パートというものがあります。
また、専門介護パートは食事・入浴介助の時間帯に勤務するので、短時間勤務を行いたい場合にはおすすめの勤務形態です。
食事介助の勤務時間
専門介護パートの勤務時間は食事の時間に合わせることがほとんどです。
食事介助では、
- 朝食:8:00~9:00
- 昼食:12:00~13:00
- 夕食:18:00~19:00
上記の時間帯で食事が提供されることが多いので、この時間帯±30分くらいが勤務時間の目安になります。
特に夕方は夜勤帯の時間になるため、介護職員が少なく、人手不足になりやすく、募集も多いように感じます。
食事介助だけで働く場合には夕方の時間帯が採用されやすいと思います。
入浴介助の勤務時間
入浴介助を行う場合には、日中に入浴介助を行うことが多いので、午前中が中心となります。
大体9:00~13:00くらいの間の勤務時間になります。
入浴介助は基本的に1対1で行うことが多いので、人手不足となってしまいます。
特に、特養などの入浴介助では2名で行うことが多いので、入浴介助の求人は特養などの施設の方が多いです。
入浴介助が終わって、そのままお昼の食事介助を行うケースもあります。
食事介助+入浴介助も行える人材の方が需要は大きいですね。
給料
専門介護パートの時給は概ね1000円前後です。
これは食事介助のみ、入浴介助のみどちらも同じです。
働く都道府県によっても多少前後するかと思いますが、介護施設の時給とそこまで大差がないと思います。
専門介護パートのメリットとデメリット
専門介護パートのメリットは短時間から勤務することができることです。
また、業務内容も食事介助と入浴介助に特化しているため、たくさんの業務内容を覚える必要がありません。
また、通常の職員とは異なる勤務形態であるため、シフトの調整も行いやすいのもメリットです。
食事介助・入浴介助以外の業務内容は他のスタッフが行ってくれるため、自分自身の業務に集中して取り組むことができます。
それに対して、専門介護パートのデメリットは、
求人を見つけにくい、便利屋になりやすい
という点が挙げられます。
以前、介護施設で働いていたことがある方は、前職場で短時間雇用をしていないかを確認するのがおすすめです。
プライベートの都合で短時間しか働くことができないと言った理由などであれば、採用してもらうことができると思います。
介護職の夜勤専従
夜勤専従とは、夜勤勤務専門のスタッフであり、介護施設では夜勤専従を採用している場所もあります。
日勤の勤務時間は8時間ですが、夜勤は16時間程度となり、月に勤務する日数は10日前後になります。
準夜勤を採用している場合には異なりますが、多くは夕方から次の日の朝まで、という勤務体系がほとんどです。
そのため、1回の夜勤で2日働いたとみなされます。
中には22:00~翌朝まで、という勤務形態もありますが、この場合は1回の夜勤で1日働いたとみなされます。
なので、月20日前後勤務することができます。
夜勤専従の勤務形態をまとめると、
- 1日16時間勤務で月10日前後
- 1日8時間勤務で月20日前後
のどちらかになります。
給料
夜勤帯の給与は日勤に比べるとやや高めに設定されています。
日給で支給される場合もありますし、時給計算の場合もあります。
時給計算だと概ね1,500~1,800円程度のところが多いです。
1日で25,000円程度になります。
仕事内容
仕事内容は就寝までと就寝以降、起床と大きく分けると3つあります。
就寝まで
利用者さんが就寝するまでの業務内容を行います。
夕食の介助や服薬介助、排泄、着衣介助などです。
また、この時間帯に日勤担当者から引き継ぎも行います。
就寝以降
就寝以降の主な業務はナースコール対応と巡回です。
ナースコールで呼ばれた場合には、トイレ誘導や排泄介助なども行います。
起床以降
起床時間になったら、起床を介助したり、トイレ介助、着衣介助などを行い、日勤担当者に引き継ぎを行っていきます。
夜勤専従に資格は必要?
夜勤専従は1日の勤務時間が長い分給与も多くもらえるメリットがあります。
しかし、無資格でも夜勤専従として勤務することができるのでしょうか?
さまざまな求人サイトを確認すると、「必要資格」の欄には「介護資格なし」も多く掲載されています。
そのため、夜勤専従で勤務する場合には介護資格がなくても勤務することが可能ですが、資格手当がないため、有資格者に比べると時給が減額される可能性があります。
夜勤専従で勤務するのであれば、介護職員初任者研修は修了しておくことがおすすめです。
介護職員初任者研修はこれまでホームヘルパー2級と呼ばれていました。
ホームヘルパー2級では介護施設での5日間の実習がありましたが、初任者研修に変更になってからは実習が廃止となり、座学・スクーリング時間が増えています。
研修期間は1~4ヶ月程度です。受講時間は130時間と定められています。
最短でも1ヶ月程度で終了することができるので、ぜひ取得しておきたい資格です。
また、2021年の介護報酬では、各サービスの運営基準が見直され、全ての未資格介護職員に「認知症介護基礎研修」の受講が義務付けられるようになりました。
現在は介護資格がなくても勤務することができますが、2024年度以降は未資格者は勤務することができなくなります。
早めに何かしらの資格を取得しておくといいでしょう。
まとめ
この記事では介護施設での専門介護パートと夜勤専従について解説をしました。
食事・入浴介助のみの求人は見つけにくいため、前職場に声をかけてみるのも一つの方法だと思います。
短時間の勤務ができ、シフト調整も行いやすいのが専門介護パートの魅力です。
また、夜勤専従は勤務時間を長く・勤務日数を少なくする方法と勤務時間を短く・勤務日数を多くする方法の2種類があります。
ご自分の都合に合わせて好きな方を選ぶことができますよ。